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村田沙耶香による待望の書き下ろし中編!
発売前の本のゲラを読み、レビューを投稿して本のプロモーションを応援できるサービス「NetGalley」(ネットギャリー)の新着作品紹介です。
書誌情報や表紙は本稿執筆時点のものであり、刊行時には変更されている可能性がありますのであらかじめご了承ください。
変半身(かわりみ)
村田沙耶香/筑摩書房
内容紹介
造物主「ポーポー様」なる独自の神話を持つ島では「海のもん」と「山のもん」が時折いがみあいながらも共存してきた歴史があった。
島では年に一度、秘祭「モドリ」が行われる。
14歳になり、初めて「モドリ」に参加させられることになる私と親友の花蓮は、その年の生贄が同級生の高城くんになることを知る。
因習に満ち閉塞した島を脱出しようとするが――。
歴史は書き換えられ、世界は塗り替えられ、魂は入れ替えられていく。
村田沙耶香初の試みとなる、演劇界の鬼才・松井周と練り上げた千久世島ワールドを舞台に、人間が変わり世界が変わりゆく悪夢的現実を圧倒的イマジネーションで紡ぐ。
「早稲田文学増刊 女性号」掲載の、既存の「性」の役割を根幹から揺さぶり話題となった中編「満潮」を併録。
おすすめコメント
■ 著者メッセージ ■
「変半身」は、とても変な経緯で生まれた作品でした。
なぜ松井さんと一緒に架空の島を作ったのか、何を書くのか決まる前から何度も取材旅行に行ったのか、まったく違うけれど繋がっている別々の物語を作ったのか、今でもよくわからずにいます。でも、一人ではやらないことばかりでした。誰か、見えない大きな生きものに実験されているような気持ちでした。
子供のころから、小説は私にとって聖域で、小説の神様にお祈りする教会でした。そこに、誰か他の人の気配を感じたことは、今までありませんでした。なので、この賑やかなプロジェクトは、とても奇妙な、はじめての出来事でした。せっかくがんばって一緒に架空の島を作ったのに、うまくそこだけを舞台にできなくて、ノートに「自由」と書きました。
そこから、だんだん小説が破裂していったような気がします。
展開が、というわけではなく感覚的に、小説とは何なのかという枠組みがだんだんわからなくなって、言葉が小説の外へ外へとどんどん飛び出して行きました。一生懸命小説の世界を広げて、飛んでいった言葉を追いかけました。書き終えて読み返してみると、「これで大丈夫だろうか」というとても変な小説でした。
私にとって「自由」という言葉も、違うものに脱皮してしまったかもしれませんでした。
私は、小説をいつも、小さな水槽に似た、実験室のように思っていました。けれど、水槽の外に言葉が飛び出したとき、そこも小説になるのだと、初めて知りました。
今までに書いたことのない領域まで想像の範囲を広げるのが、だんだん楽しい作業になっていきました。
少し変な小説になってしまいましたが、これは、私なりの千久世島の物語です。体の外に思考が飛び出していくくらい、自由に、ゆるゆる、楽しんで頂けたらとてもうれしいです。
“「真実」は誰によって創られるのか?”に斬りこむ、渾身の書き下ろし中編。ぜひご期待ください!
販促プラン
村田沙耶香×松井周 共同原案の小説&舞台「変半身」
本作「変半身」は、村田沙耶香と劇作家・演出家・俳優の松井 周が台湾、日本の島での取材と創作合宿を基に共同で原案を開発し、小説と舞台をそれぞれに発表する inseparable(いんせぱらぶる)というプロジェクトです。舞台版の「変半身」は、11月29日から全国順次上演されます。
【公式ページ】
出版情報
発行形態:ハードカバー
ISBN:9784480804914
本体価格:¥1,350 (JPY)
ジャンル:文芸小説
刊行日:2019/11/29
関連リンク
舞台「変半身」公式ページ
http://samplenet.info/inseparable/
『変半身』特設ページ
NetGalleyの紹介ページ
NetGalleyの使い方(公式ヘルプ)
https://netgalley.zendesk.com/hc/ja/articles/115003991694
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