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罪と病の間で揺れ動く魂の救済を描ききった、社会派エンターテインメント小説。
発売前の本のゲラを読み、レビューを投稿して本のプロモーションを応援できるサービス「NetGalley」(ネットギャリー)の新着作品紹介です。
書誌情報や表紙は本稿執筆時点のものであり、刊行時には変更されている可能性がありますのであらかじめご了承ください。
シークレット・ペイン 夜去医療刑務所・南病棟
前川ほまれ/ポプラ社
内容紹介
はからずも医療刑務所へ期間限定の配属となった医師の工藤。矯正医官となった彼が見たのは、罪を犯しながらも民間と同等の医療行為を受けている受刑者たちの姿。自身の過去から受刑者たちへ複雑な感情を抱く工藤。さらに彼の気持ちをかき乱したのは、医師を志望するきっかけを作った男との鉄格子を挟んだ邂逅だった……。
おすすめコメント
本作は「医療刑務所」を舞台としておりまして、はからずも医療刑務所で勤務することになった精神科医・工藤が、同僚の医師や刑務官、そしてさまざまな疾患を抱える受刑者とのかかわりを通して、「罪と罰」ならぬ「罪と病」について彼なりの答えを模索していく……という物語です。
医療刑務所については、あまり一般の方にはなじみのないところかと思います。刑務所でありながら、そこに収監されている受刑者は皆なにかしらの病を抱えていたり、高齢のために一般刑務所では管理ができずに送られてくるというケースも多く、ある意味で日本社会が抱えている問題が凝縮した場所ともいえるかと思います。
「善と悪」「正と誤」そんな二元論で割り切ることのできない、多様な読み方のできる物語です。絶対に読んだ時間以上に得られるものの大きい作品だと思いますので、よろしくお願いいたします。
出版情報
発行形態:ソフトカバー
ISBN:9784591163863
税抜価格:¥1,700 (JPY)
ジャンル:文芸小説
刊行日:2019/09/05
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