イギリスのプロ作家の収入がとうとう最低賃金以下のレベルに

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 イギリスにおけるプロ作家の年間収入中央値は2013年から15%減、1万500ポンドを下回ったことが英著者許可集金協会(Authors’ Licensing and Collecting Society、以下ALCS)の調べでわかった。

 社会政策調査団体、ジョセフ・ロウンツリー基金が昨年、独身者が最低限の暮らしを営める収入レベルは年間1万7900ポンドと発表しているが、これと比べると作家の収入を時給に換算すると、この最低賃金よりも安いことになる。イギリスの最低賃金は1週間35時間の労働で時給7.83ポンド。

 ALCSの調べではライターの収入は激減しており、また男女格差も開きつつあるという。収入が少なくなるのと並行してフルタイムのライター稼業を営む者の数も減っており、2005年の調査ではプロのライターの40%が原稿収入だけで暮らしていると答えたが、今回はその数字は13.7%に落ちた。多くは教職などと兼業する傾向が浮き彫りになった。

参考リンク

英ブック・ブランチの記事(有料)
http://www.bookbrunch.co.uk/page/article-detail/author-earnings-sliding-fast/
米パブリッシャーズ・ウィークリーの記事

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著者について

About 大原ケイ 289 Articles
NPO法人HON.jpファウンダー。日米で育ち、バイリンガルとして日本とアメリカで本に親しんできたバックグランドから、講談社のアメリカ法人やランダムハウスと講談社の提携事業に関わる。2008年に版権業務を代行するエージェントとして独立。主に日本の著作を欧米の編集者の元に持ち込む仕事をしていたところ、グーグルのブックスキャンプロジェクトやアマゾンのキンドル発売をきっかけに、アメリカの出版業界事情を日本に向けてレポートするようになった。著作に『ルポ 電子書籍大国アメリカ』(2010年、アスキー新書)、それをアップデートしたEブックなどがある。
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