乱射事件は政府のでっち上げという陰謀論を上梓した元大学教授が敗訴

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 2012年12月にコネチカット州サンディーフックの小学校で銃乱射事件があり、児童20人と教師ら7人が殺された事件は、実際には起こらなかったとするトンデモ本の著者2人が、遺族から名誉毀損などで訴えられていた件で有罪の判決が下りた。

 この本は2016年刊行の『Nobody Died at Sandy Hook』で、被告のひとり、ジェームズ・フェッツァーはミネソタ大学名誉教授、オレゴン州在住の陰謀論者。遺族の父親であるレオナルド・ポズナー氏がネットで発表した息子ノア君の死亡通知は偽物だという主張を、自身のブログでも繰り返していた。

 この本では、サンディーフック小学校の事件は、アメリカ合衆国連邦緊急事態管理庁(FEMA)がでっち上げたもので、オバマ政権が銃規制のために指示したと書かれている。公判中にフェッツァーは、死亡通知がでっち上げだとするのは間違いだと認めたが、本の他の主張に関しては事実だと言い張った。

 被告の2人は、請け負ってくれる弁護士が見つからなかったとし、弁護士を立てずに法廷に臨んだ。フェッツァーは他にも9-11同時多発ハイジャックテロ事件や、ジョン・F・ケネディーの暗殺、フロリダ州のパークランド高校での乱射事件についても陰謀論を展開している。賠償金を決める裁判は10月に行われるが、ポズナー氏は100万ドルを請求している。敗訴を受けて本は回収される。

参考リンク

AP通信の記事
https://www.apnews.com/c595b9e6ccb84b969d59c5b270f58cce
英ガーディアン紙の記事
https://www.theguardian.com/us-news/2019/jun/18/sandy-hook-massacre-victim-father-wins-defamation-lawsuit

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About 大原ケイ 205 Articles
NPO法人HON.jp 理事。日米で育ち、バイリンガルとして日本とアメリカで本に親しんできたバックグランドから、講談社のアメリカ法人やランダムハウスと講談社の提携事業に関わる。2008年に版権業務を代行するエージェントとして独立。主に日本の著作を欧米の編集者の元に持ち込む仕事をしていたところ、グーグルのブックスキャンプロジェクトやアマゾンのキンドル発売をきっかけに、アメリカの出版業界事情を日本に向けてレポートするようになった。著作に『ルポ 電子書籍大国アメリカ』(2010年、アスキー新書)、それをアップデートしたEブックなどがある。

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