ノーベル文学賞、セクハラ対策を実装して今秋から再開

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 アカデミー賞選考会員の夫が受賞者の名前を事前に漏らしたり、セクハラなどに問われ、有罪となったことに端を発し、昨年のノーベル文学賞は発表されずにいたが、選考基準や会員の交代などを経て今秋から再開されると発表された。

 フランスの自称写真家、ジャン-クロード・アルノーは、ノーベル文学賞を選考するスウェーデン・アカデミーの会員カタリーナ・フロステンソンの夫で、選考過程や受賞者をいち早く知ることができるという立場を利用し、スウェーデン王女を含む少なくとも18人の女性に対し性的暴行、セクハラなどの罪で起訴され、2年半の刑期を言い渡された。

 この事件が元で、フロステンソンを始め、サラ・ダニウス委員長を含む過半数のアカデミー会員が辞任したことにより、2018年のノーベル文学賞が選考不可能となった。

 3月5日のアカデミーからの発表では、こういった経緯は一切言及されず、改めて会員を選出した上に、外部のアドバイザー5人を雇ったことなどが挙げられている。今秋のノーベル文学賞発表は、2018年度の分と合わせて選ばれる。

参考リンク

パブリッシャーズ・ウィークリーの記事
https://www.publishersweekly.com/pw/by-topic/industry-news/awards-and-prizes/article/79431-after-changes-the-nobel-prize-for-literature-returns.html
ノーベル文学賞の選考過程

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著者について

About 大原ケイ 289 Articles
NPO法人HON.jpファウンダー。日米で育ち、バイリンガルとして日本とアメリカで本に親しんできたバックグランドから、講談社のアメリカ法人やランダムハウスと講談社の提携事業に関わる。2008年に版権業務を代行するエージェントとして独立。主に日本の著作を欧米の編集者の元に持ち込む仕事をしていたところ、グーグルのブックスキャンプロジェクトやアマゾンのキンドル発売をきっかけに、アメリカの出版業界事情を日本に向けてレポートするようになった。著作に『ルポ 電子書籍大国アメリカ』(2010年、アスキー新書)、それをアップデートしたEブックなどがある。
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