『あの子はもういない』イ・ドゥオン(著)/小西直子(訳)/文藝春秋/2月6日刊行予定 ~ 発売前作品のゲラが読める NetGalley 新着作品紹介

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 韓国映画の破壊力×韓国文学の繊細さ。 韓国エンタメ小説の急先鋒、「K(Korean)スリラー」が日本上陸!
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 書誌情報や表紙は本稿執筆時点のものであり、刊行時には変更されている可能性がありますのであらかじめご了承ください。

あの子はもういない

イ・ドゥオン(著)/小西直子(訳)/文藝春秋

内容紹介

あの子はもういない韓国映画の破壊力×韓国文学の繊細さ。 韓国エンタメ小説の急先鋒、「K(Korean)スリラー」が日本上陸! 落ちぶれた俳優と女優の元に、私たちは生まれた。母の死をきっかけに、姉の私は祖父母に引き取られ、妹は自堕落な父に引き取られた。あれから私たちは一度も顔を合わせることなく、10年が経った。ある日、私のもとを訪ねてきた警察は、妹が殺人事件の重要参考人になっていると告げる。妹の同級生である男子高校生が殺害され、直後に彼女が行方を眩ませたのだ。 妹の足跡を辿るべく、私は10年ぶりに実家を訪れる。だが、そこには奇妙な時間が流れていた。父の部屋は私が家を出たときのまま、埃を被っていた。どこを探しても、父がこの家で生活していた痕跡がまったくないのだ。では妹は、小学生の頃からずっと一人で生きてきたのか? だが、どうやって? 困惑する私は、パソコンに保存されているいくつかの動画を開く。そこには、まさに今、この家を探索して回っていた私の姿が映っていた。この家には室内中、風呂やトイレに至るまで無数のカメラが設置されていたのだ。一体この10年間、妹の身に何が起きていたのか? そして、殺人事件との繋がりは? 真相を求めるなかで、私は「母親たち」という謎の集団が妹を監視し続けていたことを知る――。 二転三転するスピーディな物語と狂気に駆られた登場人物たち、そして真相に近づくほど(文字通り)血が流れる力強い展開は、非常に韓国映画的。実際に、本書は韓国のメジャー映画製作会社CJ E&Mによる映画化が予定されている。 一方で、本書は文学としても読み応えがある。姉妹の確執やネグレクト、性犯罪といった「人間の負の側面」を鋭く抉る描写は、『ピンポン』等のパク・ミンギュを彷彿とさせる。ラストはミステリー/スリラーとしてのカタルシスとともに、過酷な状況を生き抜いてきた妹の人生が強く胸に迫ってくる。

出版情報

発行形態:ハードカバー
ISBN:9784163909752
税抜価格:¥2,300 (JPY)
ジャンル:ミステリー/サスペンス , 海外翻訳
刊行日:2019/02/06

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