全米ロマンス作家協会が空中分解の危機に

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 人種差別に関する問題で理事会のメンバーが対立し、協会員も巻き込んだ論争で今年度の全米ロマンス文学賞がキャンセルになり、協会の存続さえ危うい状態だと複数のメディアが伝えている。

 会員9000人を抱え、今年は創立40周年を迎える Romance Writers of America(以下RWA)だが、ノミネート作家や選考員が次々に事態を発表したため、7月に開催予定だったRITA賞をキャンセルすると発表した。

 事の発端は人気のある会員ライターであり、理事も経験し、RWAの倫理委員会を率いていたコートニー・ミランが、他メンバーの人種差別的な表現をSNSで指摘したこと。そのため本が出せなくなったなどと2人のライターがRWAに訴えていたところ、ミランは会員資格停止になった。ところが、この処分に問題ありと、RWA会員の署名が集められた。一方で停止処分を科した理事会内で裏取引があったことも発覚し、雪だるま式にスキャンダルが広がったと伝えられている。

 この事件はRWA組織内の利権争いでもあり、広義には「著作活動にどこまで自由が許されるか」「マイノリティーの人たちの物語はどう紡がれるべきか」といった問題でもあり、RWAの存続そのものが危ぶまれている。

参考リンク

Voxの記事
https://www.vox.com/2020/1/10/21055125/rwa-what-happened-resignations-courtney-milan-damon-suede-backstory-2020-ritas-conference
シカゴ・トリビューン紙の記事
https://www.chicagotribune.com/lifestyles/ct-life-romance-writers-of-america-diversity-tt-20200109-20200110-5rydojkzkvbvxp7l5msssbtoi4-story.html

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この記事の著者について

About 大原ケイ 241 Articles
NPO法人HON.jp 理事。日米で育ち、バイリンガルとして日本とアメリカで本に親しんできたバックグランドから、講談社のアメリカ法人やランダムハウスと講談社の提携事業に関わる。2008年に版権業務を代行するエージェントとして独立。主に日本の著作を欧米の編集者の元に持ち込む仕事をしていたところ、グーグルのブックスキャンプロジェクトやアマゾンのキンドル発売をきっかけに、アメリカの出版業界事情を日本に向けてレポートするようになった。著作に『ルポ 電子書籍大国アメリカ』(2010年、アスキー新書)、それをアップデートしたEブックなどがある。
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