ワシントンDCの書店に白人至上主義者が乱入、イベントを妨害

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 ワシントンDCにあり、政界の顧客も多いポリティックス&プローズ書店で白人至上主義者のグループが店内イベントを妨害、一時期中断されるハプニングがあったと業界誌パブリッシャーズ・ウィークリーなどのサイトが伝えている。

 同店の催しは「インディペンデント書店の日」のイベントの一つでミシガン大学のジョナサン・メッツィ准教授著「DYING OF WHITENESS」の朗読が行われていたが、10人ほどのグループが「この土地は俺たちのものだ」などと叫びながら店内を闊歩した。

 ポリティックス&プローズ書店の共同オーナー、ブラドリー・グラハムは「著者からはこの団体から標的にされていることは聞いていたが、こんなことが起こるとは想定していなかった」とコメントした。店内の安全確保のため、店員は特にこれを止める行動はしなかったが、ワシントンの中央警察署は「差別関連の事件」として調査中だという。

 またグラハム氏は「このような団体が騒ぎを起こそうとするのは非常に残念だ。われわれインディペンデント書店は、自由でオープンな議論の場としてのミッションを重んじているが、その議論がお互いに敬意を表した市民的なものになるようマナーを守ってくれることを望みます」とコメントしている。

参考リンク

パブリッシャーズ・ウィークリーの記事 
https://www.publishersweekly.com/pw/by-topic/industry-news/bookselling/article/79907-white-supremacists-take-over-d-c-bookstore-reading.html
Inside Higher Edの記事 

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著者について

About 大原ケイ 289 Articles
NPO法人HON.jpファウンダー。日米で育ち、バイリンガルとして日本とアメリカで本に親しんできたバックグランドから、講談社のアメリカ法人やランダムハウスと講談社の提携事業に関わる。2008年に版権業務を代行するエージェントとして独立。主に日本の著作を欧米の編集者の元に持ち込む仕事をしていたところ、グーグルのブックスキャンプロジェクトやアマゾンのキンドル発売をきっかけに、アメリカの出版業界事情を日本に向けてレポートするようになった。著作に『ルポ 電子書籍大国アメリカ』(2010年、アスキー新書)、それをアップデートしたEブックなどがある。
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