密輸防止に紙の本を廃止したが、服役者にEブックはハードル高く

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 アメリカでは本の中に武器や麻薬を忍ばせて、受刑者に渡す例が後を絶たないため、差し入れできるのはEブック限定に移行する刑務所が出てきたが、そのEブックを読むためのデバイスが入手しにくいというハードルがあるなど、スムーズにいっていないと複数のメディアが伝えている。

 オンラインニュースのQuarzは、何千タイトルもの本の中から自由に選べるようになった点は評価できるが、良いことづくめではないと指摘している。

 今月初めにペンシルバニア州の更生施設が紙の本の受け取りを拒否したのをきっかけに、Eブックへの移行を実施したが、刑務所専門の通信社GTLを通して150ドルもするタブレットなどを買わなければ読めない、タイトルによってはキンドルよりも高額になると伝えられている。

 他にも、これまで非営利団体や、家族の者などから無料で寄付されていた本が、Eブックでは「プロジェクト・グーテンベルク」のようなアーカイブ団体から無料で読めるものもGTLを通すと有料になる。

関連リンク

Quartzの記事
https://qz.com/1399330/prison-inmates-will-soon-be-reading-ebooks-but-thats-not-a-good-thing/
フィラデルフィア・エンクワイヤラーの記事
https://www.correctionsone.com/drug-issues/articles/481039187-After-Pa-prison-book-ban-inmates-must-rely-on-ebooks/

About 大原ケイ 93 Articles
NPO法人日本独立作家同盟 理事。日米で育ち、バイリンガルとして日本とアメリカで本に親しんできたバックグランドから、講談社のアメリカ法人やランダムハウスと講談社の提携事業に関わる。2008年に版権業務を代行するエージェントとして独立。主に日本の著作を欧米の編集者の元に持ち込む仕事をしていたところ、グーグルのブックスキャンプロジェクトやアマゾンのキンドル発売をきっかけに、アメリカの出版業界事情を日本に向けてレポートするようになった。著作に『ルポ 電子書籍大国アメリカ』(2010年、アスキー新書)、それをアップデートしたEブックなどがある。