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さまざまな葛藤を抱えながら今日もがんばる人たちに捧げる、心にやさしい明かりをともす13の物語。『大人は泣かないと思っていた』で話題沸騰の著者が贈る感動作!
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書誌情報や表紙は本稿執筆時点のものであり、刊行時には変更されている可能性がありますのであらかじめご了承ください。
夜が暗いとはかぎらない
寺地はるな/ポプラ社
内容紹介
大阪市近郊にある暁町。閉店が決まった「あかつきマーケット」のマスコット・あかつきんが突然失踪した。かと思いきや、町のあちこちに出没し、人助けをしているという。いったいなぜ――? さまざまな葛藤を抱えながら今日もがんばる人たちに捧げる、心にやさしい明かりをともす13の物語。『大人は泣かないと思っていた』で話題沸騰の著者が贈る感動作!
出版社からの備考・コメント
【著者略歴】寺地はるな 1977年、佐賀県生まれ。大阪府在住。第4回ポプラ社小説新人賞を受賞した『ビオレタ』でデビュー。他の著書に、『ミナトホテルの裏庭には』『月のぶどう』『今日のハチミツ、あしたの私』『みちづれはいても、ひとり』『架空の犬と嘘をつく猫』『大人は泣かないと思っていた』『正しい愛と理想の息子』などがある。
おすすめコメント
佐賀から大阪にうつりすんで、もう十年が過ぎました。結婚して、再就職をして、子どもが生まれて、小説を書きはじめてそしてそれが新たな自分の仕事になって、というウルトラダイナミック(わたしにとっては)な人生の変化を、今住んでいるこの街で迎えました。なじめないかも、と思っていた風景がいつのまにか見慣れたものになりました。
街はそれ自体が、大きな生きもののようです。呼吸し、育っていく。そこで暮らす人間は小さい。でもわたしは小さいことと重要でないこととは、イコールではないと思うのです。
子どもの頃、父から登山に連れていかれたことがありました。頂上にたどりついた時、父がとつぜん「大自然の中に身をおくと、自分の存在や悩みが、ちっぽけに思えてくるだろう。だからあんまり思い悩むんじゃないよ」的なことを言い出し、「ハア?」と呆れたことをよく覚えています。ちっぽけである、だからどうした、なんの解決にもなっていないじゃないか、と思ったのです。
この本に出てくる人たちは、言葉にしてしまえば「ちっぽけな悩み」と片づけられがちな、でも本人にとっては切実なものと対峙し、あるいは寄り添いながら暮らしています。
べつにちっぽけでいい。毎日、思い悩んでいてもいい。大きくて堂々としているのは海やら山やら街やらにまかせておけばいい。そういう気持ちで、わたしはいつも小説を書いています。
この本はポプラ社のPR誌『asta*』に連載していたものを一冊にまとめたものです。一冊の本にまとめるにあたり、大幅に加筆しています。仕事や勉強や、あるいは育児や介護、その他趣味などで忙しい人にも毎日すこしずつ読んでもらえたらと願いながら、短めのお話を12話書きました。明日を生きていくために、つかのま心を遠くにとばして休息する、そういうお手伝いができたらいいなと思っています。
出版情報
発行形態:ソフトカバー
ISBN:9784591162743
税抜価格:¥1,600 (JPY)
ジャンル:文芸小説
刊行日:2019/04/10
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