米グーグル・プレイがひっそりとEブックの貸し出しを開始

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 グーグル・プレイのサービスには映画やTV番組のレンタルに加えて、電子教科書のレンタルも多少あったが、他にもひっそりとEブックのレンタルを始めていると、ニュースポータルのグッドEリーダーが伝えた。だが、華々しく宣伝しなかったのはそれなりのわけもあるようだ。

 新しいサービスでは約200冊が貸し出しの対象となったが、これはいずれもEブックオンリーの出版社、オープン・ロード・インテグレーテッド・メディアが出しているタイトルだ。値段は1冊1〜2ドル、貸し出し期間は3日間。ロマンスやスリラー、SFなど一気読みするにはちょうどいいが、他のEブックレンタルサービスに比べると貸し出し期間が短い。

 今のところ米国内のみのサービスで、これが試験的なものなのか、他の国にも拡大されていくのか、グーグルは何も発表していない。一方のオープン・ロードも沈黙している。

 オープン・ロードは「紙では埋もれてしまった過去の名作を掘り出す」とのスローガンで、ハーパーコリンズCEOでベテラン編集者だったジェーン・フリードマンが、映画プロデューサーのジェフリー・シャープと組んで、2009年に創設したEブック出版社だった。

 その後、タイトル数は1万に到達したが、2015年にフリードマンが辞職。2016年にオーバードライブと提携している他、取次のイングラムのオンデマンド印刷ビジネスと提携したり、マーケティング専門の子会社を設立するなど、何度か方向転換している。

参考リンク

グッドEリーダーの記事 
https://goodereader.com/blog/e-book-news/google-play-is-now-renting-ebooks
オープン・ロードのサイト

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著者について

About 大原ケイ 289 Articles
NPO法人HON.jpファウンダー。日米で育ち、バイリンガルとして日本とアメリカで本に親しんできたバックグランドから、講談社のアメリカ法人やランダムハウスと講談社の提携事業に関わる。2008年に版権業務を代行するエージェントとして独立。主に日本の著作を欧米の編集者の元に持ち込む仕事をしていたところ、グーグルのブックスキャンプロジェクトやアマゾンのキンドル発売をきっかけに、アメリカの出版業界事情を日本に向けてレポートするようになった。著作に『ルポ 電子書籍大国アメリカ』(2010年、アスキー新書)、それをアップデートしたEブックなどがある。
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