バーンズ&ノーブルのエリオットによる買収話、株主承認へ

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 バーンズ&ノーブルは、8月6日までに過半数の株主票を得れば、エリオット・アドバイザーズに1株6.50ドル(総額約7億4500万ドル)で買収される運びとなったと、パブリッシャーズ・ウィークリー誌などが伝えている。

 米証券取引委員会に提出された、株主に賛成票を促すTOB(株式公開買い付け)通知の書類で明らかになったのは、エリオットに先駆けて買収の話を持ちかけていたリーダーリンク社は、1株7.25ドルまで値段を上乗せしてきたが、資金繰りの目処が不透明だったことがひとつ。

 さらにリーダーリンク側からの最新案では、バーンズ&ノーブルのレン・リジオ会長の資金提供がなくなり、同じ経営権を手放すのであれば、既にエリオット傘下となった英ウォーターストーンズ書店のドーントCEOにバーンズ&ノーブルの経営を委ねたいとの判断もあったことが示されている。

 法律上は、8月6日までにリーダーリンクが再オファーをすることは可能だが、株主に対しオファーの詳細を公示しなければならない条件つきなので、再オファーの可能性はほとんどなくなった。同手紙の中で、リーダーリンクではない他の2団体からも、それぞれ1株6.15ドル、7ドルのオファーがあったことがわかっている。

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パブリッシャーズ・ウィークリーの記事

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著者について

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NPO法人HON.jpファウンダー。日米で育ち、バイリンガルとして日本とアメリカで本に親しんできたバックグランドから、講談社のアメリカ法人やランダムハウスと講談社の提携事業に関わる。2008年に版権業務を代行するエージェントとして独立。主に日本の著作を欧米の編集者の元に持ち込む仕事をしていたところ、グーグルのブックスキャンプロジェクトやアマゾンのキンドル発売をきっかけに、アメリカの出版業界事情を日本に向けてレポートするようになった。著作に『ルポ 電子書籍大国アメリカ』(2010年、アスキー新書)、それをアップデートしたEブックなどがある。
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