B&N前社長が買収話を反故にしたとする裁判は続行

《この記事は約 2 分で読めます(1分で600字計算)》

 米最大手書籍チェーンであるバーンズ&ノーブル(Barnes & Noble、以下B&N)が解雇したデモス・パルネロス前CEOと買収の妨害やセクハラの疑いで双方に訴訟し合っていた問題で、5月6日に裁判所がいくつか決定を下したと業界誌パブリッシャーズ・ウィークリーなどが伝えている。

 裁判所決定の内容は、パルネロスが買収話をわざと反故にしたとするバーンズ&ノーブル側の主張を、却下するよう求めたパルネロスの申請を退けた。同時に、パルネロスはこの裁判の費用を支払うようB&Nに求めていたが、セクハラやパワハラの証拠が弱いとして、弁護士費用の支払いをB&Nに命じた。

 もう1点、買収話の妨害という「不忠行為」についてパルネロス側が証拠となる書類をB&Nに提出するよう求めていた件では、書類ではなく、双方の弁護士が質問書を作成すべしとしたので、これでこの訴訟は全面解決というわけではなく、次は9月に進捗報告の法定日が予定されている。

参考リンク

パブリッシャーズ・ウィークリーの記事
https://www.publishersweekly.com/pw/by-topic/industry-news/publisher-news/article/79980-in-twist-judge-orders-barnes-noble-to-pay-former-ceo-s-legal-costs.html
law.comの記事

広告

著者について

About 大原ケイ 289 Articles
NPO法人HON.jpファウンダー。日米で育ち、バイリンガルとして日本とアメリカで本に親しんできたバックグランドから、講談社のアメリカ法人やランダムハウスと講談社の提携事業に関わる。2008年に版権業務を代行するエージェントとして独立。主に日本の著作を欧米の編集者の元に持ち込む仕事をしていたところ、グーグルのブックスキャンプロジェクトやアマゾンのキンドル発売をきっかけに、アメリカの出版業界事情を日本に向けてレポートするようになった。著作に『ルポ 電子書籍大国アメリカ』(2010年、アスキー新書)、それをアップデートしたEブックなどがある。
タグ: