ロマンスの大御所ノラ・ロバーツが盗作容疑のブラジル著者を提訴

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 200作以上のロマンス小説に加えJ・D・ロブなどのペンネームでサスペンス小説も発表しているノラ・ロバーツが、ブラジルのロマンス小説家に盗作されたとして提訴したと複数のメディアが報じた。

 訴訟では2万5000ドルの賠償金と、剽窃部分を改定するまでの出版停止を求めている。もし勝訴したらお金はブラジルの文学推進団体に寄付するとロバーツは発表している。訴えられたのはブラジルのクリスチャン・セルーヤで「意図的な盗作ではない」と返答があったという。

 セルーヤ側は「Fiverr」という投稿サイトでフリーランスとして雇われ、もっと早く書けと言われ、雇ったゴーストライターのせいだとしている。盗作があったのはロバーツが2015年に発表した『THE LIAR』の一節などで、2カ月前に読者がセルーヤの『ROYAL LOVE』とコートニー・ミランの『THE DUCHESS WAR』に同じような表現があることに気づき、主にツイッターなどで報告された他の作品との類似箇所は、40人近い作家の100タイトル内に及んでいる。

 ロバーツは「被害にあった他のライターにはお金がない人もいるだろうけど、私にはあるから」と言い、AP通信のインタビューに答えて、アマゾンのキンドル・アンリミテッドのようなプラットフォームがコンテンツを十分にチェックせず、今回の剽窃も読者からの指摘でわかったことも問題だと指摘している。

参考リンク

ニューヨーク・タイムズの記事 
https://www.nytimes.com/2019/04/24/books/nora-roberts-plagiarism.html
AP通信の記事
https://www.apnews.com/7be8560b1a0f475388cc23bf75a0c8f7
Fiverr

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著者について

About 大原ケイ 289 Articles
NPO法人HON.jpファウンダー。日米で育ち、バイリンガルとして日本とアメリカで本に親しんできたバックグランドから、講談社のアメリカ法人やランダムハウスと講談社の提携事業に関わる。2008年に版権業務を代行するエージェントとして独立。主に日本の著作を欧米の編集者の元に持ち込む仕事をしていたところ、グーグルのブックスキャンプロジェクトやアマゾンのキンドル発売をきっかけに、アメリカの出版業界事情を日本に向けてレポートするようになった。著作に『ルポ 電子書籍大国アメリカ』(2010年、アスキー新書)、それをアップデートしたEブックなどがある。
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