2018年は英米でオーディオブック“元年”となるのか?

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 イギリスでオーディオブックは正式に2018年出版のトレンドになった、と主張するのは経済誌フォーブスのアダム・ロウ記者で、英出版業界紙「ザ・ブックセラー」で2017年の売上は前年比45%増の9700万ポンドに上ったことを受けてこれを評したもの。

 消費者が紙の本からデジタル版に移行する過程で、オーディオブックはどの出版社にとっても重要な位置を占めるようになってきている。例えばハーパーコリンズでは、この第1四半期にダウンロードできるオーディオ版の利益がデジタル版全体の25%に達したとしており、一方、サイモン&シュスターも同社におけるオーディオ版の売上が同時期に43%上昇した。両社とも今年はオーディオ版を10%引き上げる予定だ。

 オーディオブック最大手のオーディブルも売上が伸びているが、アマゾン傘下であるため、売上や利益の数字を公表していない。ロウ記者は、オーディオブックは「大人の塗り絵」のような一過性のトレンドではないと見ている。

参考リンク

フォーブスの記事
https://www.forbes.com/sites/adamrowe1/2018/08/31/audiobooks-are-officially-the-publishing-industrys-2018-trend/#5b1728935e8f
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著者について

About 大原ケイ 289 Articles
NPO法人HON.jpファウンダー。日米で育ち、バイリンガルとして日本とアメリカで本に親しんできたバックグランドから、講談社のアメリカ法人やランダムハウスと講談社の提携事業に関わる。2008年に版権業務を代行するエージェントとして独立。主に日本の著作を欧米の編集者の元に持ち込む仕事をしていたところ、グーグルのブックスキャンプロジェクトやアマゾンのキンドル発売をきっかけに、アメリカの出版業界事情を日本に向けてレポートするようになった。著作に『ルポ 電子書籍大国アメリカ』(2010年、アスキー新書)、それをアップデートしたEブックなどがある。
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