ロマンスのRITA賞が審査バイアスの見直しへ

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 全米ロマンス作家協会(Romance Writers of America, 以下RWA)から贈られるRITA賞の選考基準について、今月の理事会で人種や性的指向によるバイアスがかかっているとの指摘から見直しを図り、来年から新たに採択すると発表した。

 改定された指標では「審査員によるバイアスを発見し、必要な措置がとれるように」し、審査員が作品につけたスコアに対する説明責任を求めていくという。バイアスが認められた場合は審査員を失格にしたり、著者として作品を提出できなくする。

 次期RWA会長のヘレンケイ・ダイモンは「理事会としては、自分が思っている以上に偏見を持っている場合があることを知ってもらい、有色人種やLGBTQの著者の作品にわざと低い点をつける人には告知をします。そのための仕組みを作り排除していきます」と語る。

 今年のRITA賞のノミネート段階でも #ritasowhite というハッシュタグを使い、SNS上で差別を指摘する声が著者から挙がっていた。

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著者について

About 大原ケイ 289 Articles
NPO法人HON.jpファウンダー。日米で育ち、バイリンガルとして日本とアメリカで本に親しんできたバックグランドから、講談社のアメリカ法人やランダムハウスと講談社の提携事業に関わる。2008年に版権業務を代行するエージェントとして独立。主に日本の著作を欧米の編集者の元に持ち込む仕事をしていたところ、グーグルのブックスキャンプロジェクトやアマゾンのキンドル発売をきっかけに、アメリカの出版業界事情を日本に向けてレポートするようになった。著作に『ルポ 電子書籍大国アメリカ』(2010年、アスキー新書)、それをアップデートしたEブックなどがある。
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