毎週10ドルの賃上げにワシントン・ポスト紙のスタッフが反旗を翻す

 2013年に2億5000万ドルでワシントン・ポスト紙を買収したアマゾンCEOのジェフ・ベゾスだが、最近示された給与体制に納得できないと、数百人のスタッフが連名で抗議する手紙を公開した。

 「新聞という旧態メディアが窮地に陥っていたときに救ってくれたのはありがたく、長期展望の元に改革を図る方針を信じてきたやってきたが、昇給・定年手当などに不満が残る」と書かれた手紙には、以下の項目が含まれている。

  • 一律一週間に10ドルの昇給は、平均給与額の0.6%で、現在のインフレ率の約半分にしかならず、フェアではない。
  • 定年退職手当に向上が見られず、401(k)に(アメリカの確定拠出個人年金制度)1%のマッチング(会社が個人負担額に応じて積み立てる額)という少額は社員の将来に配慮していない。
  • 誰でも一方的に解雇できる権利を要求するのは年齢や人種差別につながる懸念がある。
  • レイオフ(一時解雇)や仕事の外注化による退職金を減額するのはフェアではない。
  • レイオフされた従業員に退職手当を支払う代わりに訴訟権利を放棄させるのは過剰な要求である。

 ワシントン・ポストは現在もドナルド・トランプ大統領のロシア癒着疑惑に関する調査報道を続けており、頻繁にスクープをとばしているので、トランプは「アマゾンは米連邦郵便局の配達料を安く買い叩いている」などといいがかりをつけており、ベゾスが今後ワシントン・ポストをどう扱うのかに注目が集まっている。

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ワシントン・ポスト紙のスタッフがジェフ・ベゾスに当てた手紙
http://dearjeffbezos.pagedemo.co/

藤井太洋の頭の中
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NPO法人日本独立作家同盟 理事。日米で育ち、バイリンガルとして日本とアメリカで本に親しんできたバックグランドから、講談社のアメリカ法人やランダムハウスと講談社の提携事業に関わる。2008年に版権業務を代行するエージェントとして独立。主に日本の著作を欧米の編集者の元に持ち込む仕事をしていたところ、グーグルのブックスキャンプロジェクトやアマゾンのキンドル発売をきっかけに、アメリカの出版業界事情を日本に向けてレポートするようになった。著作に『ルポ 電子書籍大国アメリカ』(2010年、アスキー新書)、それをアップデートしたEブックなどがある。