Subject: HON.jp メールマガジン #71 2020年2月24日版 From: HON.jp編集部 Date: 2020/02/24 6:04 To: xxx@xxx 【重要なお知らせ】 新型コロナウィルスの感染拡大に伴い、米国務省が日本への渡航警戒レベルを2に引き上げました。渡辺由佳里さんの来日中、レベルがさらに上がる可能性があるため、来日が中止となりました。3/6に予定していた当法人主催イベントも、中止となります。ご了承ください。 ━━━━━━━━━━━━━━━━ HON.jp メールマガジン #71 2020年2月24日版 ━━━━━━━━━━━━━━━━  このメールマガジンは、HON.jp News Blog 編集長 鷹野凌による「出版業界気になるニュースまとめ」やお知らせなどを、原則、毎週月曜日の朝に配信しています。対象は、HON.jp News Blogから購読を申し込まれた方々と、これまでHON.jpとご縁があった方々です。不要な場合はお手数ですが、末尾の「配信停止」からお手続きください。 ━━━━━━━━━━━━━━━━ 出版業界気になるニュースまとめ (2020年2月17日~23日) ━━━━━━━━━━━━━━━━  編集長の鷹野が気になった出版業界関連ニュースをピックアップし、独自の視点でコメントしてあります。 【国内】 ◆ 音声プラットフォーム「himalaya」でオーディオブック2万6000点以上が配信開始、聴き放題サービス対象は1万点以上〈HON.jp News Blog(2020年2月17日)〉 https://hon.jp/news/1.0/0/28076  法人名は「シマラヤ」ですが、サービス名は「ヒマラヤ」です。誤記ではありません。昨年から有料コンテンツの配信も開始していましたが、ここへ来てどーんとオーディオブック2万6000点。しかも聴き放題サービスも同時立ち上げ。どこから仕入れているのかリリースには明記されていませんが、点数的にオトバンクかな……? 要注目です。 ◆ ついに動き出した電子マンガ「中古売買」の成算〈東洋経済オンライン(2020年2月17日)〉 https://toyokeizai.net/articles/-/327399  メディアドゥが開発中のブロックチェーン技術を活用した流通プラットフォームと、JEPAアワード2019でチャレンジ・マインド賞を受賞したアソビモ「DiSEL」について。コンテンツホルダーが警戒するので、「中古」という表現は使わないほうがいいような……。あと、利用権を手放したあともスクショを使えば劣化しないコピーを手元に残すことが可能(私的使用目的の複製なので合法)という点を、権利者がどう捉えるか。まだ乗り越えなければならないハードルはいくつもありそうです。 ◆ 日経電子版、有料会員70万人に 20代や女性がけん引役〈日本経済新聞(2020年2月17日)〉 https://www.nikkei.com/article/DGXMZO55641430U0A210C2I00000/  先週のメルマガで、WSJの有料会員が200万人突破というニュースをピックアップしました。関連して、では日本でトップクラスの日経は? というコメントを書こうと思ったのですが、改めて調べてみたら、その時点では2018年6月の「60万人突破」というリリースが最新でした(↓)。 https://www.nikkei.com/article/DGXMZO31470480X00C18A6905M00/  伸び悩んでいるのか? と思い、メルマガで触れるのはやめたんですが、週明けに70万人突破のリリースです。タイミング悪……いや、おめでとうございます。 ◆ 苫小牧市立図書館が整備計画を策定、電子書籍数2倍以上に〈室蘭民報(2020年2月19日)〉 https://this.kiji.is/602690192870736993?c=491375730748638305  7414点を、1万5000点に。喜ばしいことですが、正直まだまだ少ない。電子書店で言えば、2011年ごろの水準です。なお、苫小牧市立図書館が導入しているのはTRC-DL&LibrariEなので、ラインアップ的には日本語コンテンツだけで7万点くらいはあるはずなのですが。 ◆ noteとcakesコラボの「cakesクリエイターコンテスト2020」開催〈HON.jp News Blog(2020年2月20日)〉 https://hon.jp/news/1.0/0/28096  noteでハッシュタグを付けて投稿するだけという、気軽に参加可能なコンテスト。今回が3回目です。過去2回のコンテストは、HON.jpで取り上げていなかった……と思ったら、うちが株式会社hon.jpから事業継承して本格運用開始する前のことでした。なるほど。 ◆ 講談社決算発表 純利益が前年比2・5倍超に、野間社長「今期に事業収入が紙を上回る」〈文化通信デジタル文化通信デジタル(2020年2月20日)〉 https://www.bunkanews.jp/article/213785/ ◆ 講談社決算、「21世紀に入って最高の数字(利益)」(野間社長)〈新文化(2020年2月20日)〉 https://www.shinbunka.co.jp/news2020/02/200220-03.htm  講談社が好決算。当期純利益72億3100万円です。文化通信のほうが細かい数字が載っていますが会員限定なので、新文化もピックアップしておきます。電子書籍売上、ウェブ広告収入、海外版権事業が伸長。デジタル関連収入は465億円なので、電子出版市場の約15%を講談社が占めていることに。ちなみに私は以前からずっと、デジタル商品は複製コストが限りなくゼロに近いため、損益分岐点を超えると飛躍的に利益率が高くなると言い続けてきたのですが、嘘つきにならずに済んだようです。 ◆ 日販、2019年の年間店頭売上前年比調査を発表 ~ コミック、ビジネス書、新書が伸長〈HON.jp News Blog(2020年2月21日)〉 https://hon.jp/news/1.0/0/28117  コミックの伸びは、「鬼滅の刃」のヒットが大きな要因とのこと。確かに「少年」ジャンルの数字を見ると、アニメの放送が始まった4月と、放送終了後の10月以降の伸びが凄まじい。すごい作品です。 ◆ Cloudflare社、海賊版サイトでの著作権侵害が裁判所に認定されたらデータ複製を中止する条件で出版大手4社と和解〈HON.jp News Blog(2020年2月21日)〉 https://hon.jp/news/1.0/0/28108  実は、2018年8月時点で仮処分申請を行い、2019年6月時点で和解が成立していました、というリリース。2018年8月って、ブロッキング法制化の議論が白熱していたころです。現行法で行える対策を、同時並行で進めていたんですね。ちなみに2018年10月に報道された、キャッシュファイル削除と発信者情報開示を命じる仮処分の決定(↓)とは別件のようです。 https://www.bengo4.com/c_23/n_8660/  出版広報センター曰く「一定の効果が上がっていたため、詳細の公表を控えていた」とのことですが、正直、どうも腑に落ちません。なお、記事でも触れましたが、2020年1月には竹書房がCloudflare社に民事訴訟を提起しています。 ◆ ボイジャー、片岡義男作品449点を国立国会図書館へ電子納本〈HON.jp News Blog(2020年2月21日)〉 https://hon.jp/news/1.0/0/28112  本件がなぜニュースになるか、前提を知らないと理解が難しいかもしれません。「現時点では有償またはDRM付きの電子書籍は、まだ納本対象になっていない」「2015年から50カ月間、電子出版への影響を調査する実証実験が行われてきた」「その実証実験を受託していた電書協が、終了間際に『リポジトリを立ち上げれば電子納本義務はないですよね?』と言い出した」という経緯があります。ボイジャー社はその流れに逆らって、単独で国立国会図書館に電子納本を行った、というわけです。なお、電書協がリポジトリを立ち上げ云々というのは、納本制度審議会平成31年3月18日の議事録に載っている公開情報です(↓)。 https://ndl.go.jp/jp/collect/deposit/council/council.html  電子納本制度が法制化された際「無償かつDRM無し」に限定されたのも、出版業界の猛烈な抵抗があったからといいます。当時ようやく立ち上がり始めたばかりの電子出版市場に対し、国立国会図書館館内限定とはいえ公開することが悪影響を及ぼすかも? という危惧は、納得はできませんが理解はできます。しかし、実証実験の期間が50カ月というのはさすがに長過ぎだろと、当時少々腹を立てたのを覚えています。そしてようやく実証実験が終わるという直前に、裏技的な提案です。そうまでして電子納本したくないのでしょうか? 義務化されるのが、そんなに嫌なんでしょうか?  私は、自分が販売している電子書籍を納本して、公的機関に長期間保存して欲しいです。同じように考えている著者も、多いのではないでしょうか。しかし現時点では、仮に個人から申請をしても「無償かつDRM無し」でなければ受け付けてもらえません。ボイジャー社がそこをこじ開けたことは高く評価したい、という意味での記事化です。なお、実証実験は1月31日で終了していますが、現時点で結果がどうだったのか、電子出版市場に影響はあったのか、そして、電子納本制度がどうなるのかは明らかになっていません。今後も注視します。 ◆ 読書量をグラフ管理、感想文投稿...大垣市が新図書サービス〈岐阜新聞(2020年2月21日)〉 https://this.kiji.is/603386018172503137?c=491375730748638305  図書館と「読書メーター」のシステム連携です。図書館のマイページに「読書メーターへ」という登録ボタンが付くようです。ちょっと調べた範囲では、システム的な連携を行っている事例は他に見つけられませんでした。珍しい事例なのは間違いないようです。 ◆ 著作権侵害していないのに…Twitterアカウントが突然凍結 対応の難しさも〈AbemaTIMES(2020年2月21日)〉 https://this.kiji.is/603448643839935585?c=491375730748638305  DMCA侵害申告を悪用し、Twitterアカウントを凍結させる事件が急増。周囲でも被害者が出ています。2018年には、同様の手口で「艦これ」公式アカウントが凍結されるという事件がありました。Twitter以外では、Google検索からの悪評削除に利用したWantedlyや侍エンジニア塾が批判されるという事件もありました。虚偽の申請には賠償責任が発生するので、ただのイタズラでは済まされない事案です。実際、YouTubeが虚偽のDMCA侵害申告を行ったユーザーに対し訴訟を起こし、2万5000ドルの損害賠償支払で和解という事例もあります(↓)。 https://nlab.itmedia.co.jp/nl/articles/1910/21/news040.html ━━━━━━━━━━━━━━━━ イベントのご案内 ━━━━━━━━━━━━━━━━ ◆ 2月25日開催「2019年電子出版ビジネスの現状と今後の展望 ~出版社における電子書籍・デジタル雑誌ビジネス実態調査報告~」電流協オープンセミナー https://aebs.or.jp/seminar20200225.html  鷹野凌が、植村八潮氏(専修大学教授、日本出版学会会長)、矢口博之氏(東京電機大学理工学部准教授、日本出版学会出版デジタル研究部会部会長)、星野渉氏(文化通信社専務取締役、特定非営利活動法人本の学校 理事長)とともに登壇します。一般は参加費3000円ですが、HON.jp正会員の方は無料で参加できます(先着5名まで)。 ◆ 3月1日開催 阿賀北ロマン賞授賞式/三木一馬氏特別講演会「地方における創作が拡げる可能性」/阿賀北ノベルジャム開催発表会 - 敬和学園大学 https://www.keiwa-c.ac.jp/agakita2020  次のNovelJamは新潟開催! 詳細はこちらのイベントにて。HON.jpは敬和学園大学の「阿賀北ノベルジャム」を応援しています。 ━━━━━━━━━━━━━━━━ お知らせ ━━━━━━━━━━━━━━━━  “2020年は音声コンテンツ市場が拡大する!” ……なんていう予想をしておきながら、自身でなにもしない手もありません。「Anchor」を使って、 HON.jp の Podcast を始めてみることにしました。 https://anchor.fm/honjp  制作の都合上、内容的にはいまのところメールマガジンの1週遅れとなります。現時点で「Anchor」「Spotify」「Breaker」「Pocket Casts」で配信済み。「Google Podcasts」には、そろそろ配信されるみたいです。肝心の「Apple Podcasts」が音沙汰無しなので、問い合わせを行っています。 ━━━━━━━━━━━━━━━━ 会員申込みや寄付などのお願い ━━━━━━━━━━━━━━━━  NPO法人HON.jpではこのメディア事業以外に、セミナー・講習会や出版創作イベント「NovelJam」の開催といったイベント事業、出版事業などを行っています。こういった当法人の事業全般を賛助する会員(個人/法人)を、随時募集しています。会員にはさまざまな特典をご用意しています。また、寄付も受け付けております。本(HON)のつくり手をエンパワーするNPO法人HON.jpの活動は、みなさまのご支援のおかげで継続できています。いつもありがとうございます。 ◆ NPO法人HON.jpの賛助メニューについて https://hon.jp/news/supporter ◆ NPO法人HON.jpへの寄付受付窓口(Syncable) https://syncable.biz/associate/honjp/donate/ ━━━━━━━━━━━━━━━━ 広告掲載のご案内 ━━━━━━━━━━━━━━━━  HON.jp News Blogは、これからも本(HON)を作ろうとしている人々に、国内外の事例を紹介し、デジタルパブリッシングを含めた技術を提供し、意見を交換し、仮説を立て、新たな出版へ踏み出す力を与えるメディアです。運営は、NPO法人HON.jp メディア部会が行っています。このメディアへの広告掲載は、随時募集しています。当メルマガへの広告掲載も可能です。詳しくは下記のリンク先をご覧ください。 ◆ 広告掲載のご案内 https://hon.jp/news/ad ━━━━━━━━━━━━━━━━ 情報提供のお願い ━━━━━━━━━━━━━━━━  HON.jp News Blogでは、本(HON)のつくり手をエンパワーする情報を募集しています。プレスリリースや発表会・イベントなどの情報提供や、掘り下げて欲しいネタの希望など、気軽に当メールのアドレスへお寄せください。匿名でのタレコミは、下記のリンク先からどうぞ。 https://hon.jp/news/tipster ----------------------------------- 発行人:NPO法人HON.jp 編集人:HON.jp News Blog編集長 鷹野凌 mail: honjp@aiajp.org https://hon.jp/news/ 配信数:2591通 -----------------------------------  このメールマガジンは CC BY-NC-SA 4.0でライセンスされています。転送歓迎。ウェブなどへ転載する際は、HON.jp メールマガジンが出典であることを表記するのと同時に、HON.jp News Blogへのリンクを張っていただけると嬉しいです。 https://creativecommons.org/licenses/by-nc-sa/4.0/deed.ja 正しく表示されない場合はこちら このメールは、NPO法人HON.jpからのメール配信をご希望された方に送信しております。今後も引き続きメールの受信を希望される方は こちらをクリック してください。 今後メールの受信をご希望されない方は、こちらから購読停止手続きが行えます 本メールは honjp@aiajp.org よりxxx@xxx 宛に送信しております。 関町北3-3-12 NSビル201, 練馬区, 東京都 177-0051, Japan 全てのメーリングリストから配信を停止する。 配信停止 | 登録情報更新 | このメールを転送する | 迷惑メールと報告する