Subject: HON.jp メールマガジン #6 2018年11月5日版 From: HON.jp編集部 Date: 2018/11/05 6:08 To: Reply-to: ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━  HON.jp メールマガジン #6 2018年11月5日版 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━  このメールマガジンは、これまでNPO法人日本独立作家同盟とご縁があった方々へお送りしています。当法人からのお知らせや、「HON.jp News Blog」編集長 鷹野凌による「出版業界気になるニュースまとめ」などを、週に1回程度配信しています。今後、こういったメールが不要な場合は「不要」とご返信ください。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━  イベント案内 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━  NPO法人日本独立作家同盟では今後、以下のようなイベントなどの開催を予定しています。詳細・申込みなどは、それぞれのリンク先をご確認ください。 2018年11月10日(土)14時~16時ごろ ■ トークイベント「藤井太洋の頭の中 ~プロ作家が執筆時に考えていること~」 https://hello-world.peatix.com 2018年11月22日(木)まで ■ 出版創作イベント「NovelJam 2018秋」クラウドファンディング募集締め切り https://motion-gallery.net/projects/noveljam2018 個人・法人の協賛を募集しています。 2018年11月23日(祝)~25日(日) ■ 出版創作イベント「NovelJam 2018秋」 https://www.noveljam.org/2018/08/258/ 2018年12月5日(水)19時~ ■ 渡辺由佳里×藤井太洋「セルフ・パブリッシング最新情報と海外デビューについて語り尽くそう!」 https://self-publishing-latest-information.peatix.com 2019年2月1日 ■ NovelJam 2018秋 グランプリ贈賞式(詳細未定) ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━  出版業界気になるニュースまとめ(2018年10月29日~11月4日) ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━  編集長の鷹野が気になった出版業界関連ニュースをピックアップし、独自の視点でコメントしてあります。 ■ コミックの定価アップは売上に影響を与えたか? "価格改定"を通して考える出版業界の課題〈ほんのひきだし(2018年10月29日)〉 http://hon-hikidashi.jp/more/65832/  値上げをしても、冊数はほとんど変わらず、金額の伸びが上回ったとのこと。続刊があるシリーズもの特有の現象かもしれませんが、興味深い。なお、「今年2月に漫画村のサイトブロッキングが行なわれてから」という記述は、なにかの誤解と思われます。政府が「ブロッキング含め検討」という方針を初めて口にしたのが3月、刑法の緊急避難に該当するという見解を示したのが4月。そして結局、どのISPもブロッキングは実施していません。 ■ ベネッセ教育総合研究所が「電子図書館まなびライブラリー」の利用データをもとに調査 ~ 読書量の多い子供ほど学力が向上〈HON.jp News Blog(2018年10月29日)〉 https://hon.jp/news/1.0/0/14172  なかなか面白い調査結果。なかでもとくに「算数」が伸びているというのが興味深い。読解力の向上が影響しやすいのでしょうか? タイトルは「電子書籍による読書でも子供の学力は向上」とすべきだったかも。 ■ 第20回図書館総合展が開催 ? 展示会場フォトレポート〈HON.jp News Blog(2018年10月30日)〉 https://hon.jp/news/1.0/0/14204  取材しました。シンポジウムなどの記事は、今週以降に公開していく予定なのでお楽しみに。「Maruzen eBook Library」の導入機関が、686カ所にまで伸びているのは驚きました。コンテンツ数約6万点というのが大きいのでしょう。電子書店がまだまだこれからというときから「売っていないものは買えない(から利用者が増えない)」と私は言い続けていますが、それを実証しているように思います。 ■ 海賊版対策会議の両座長、まとめ案の修正版を親会に提出〈日経 xTECH(2018年10月30日)〉 https://tech.nikkeibp.co.jp/atcl/nxt/news/18/03164/  議論紛糾して結論がまとまらなかった「インターネット上の海賊版対策に関する検討会議」はタスクフォースで、その親会は知的財産戦略本部 検証・評価・企画委員会です。こちらの構成員には、検討会議でブロッキングに反対した委員は含まれていません。そのことを指摘した村井純氏、ブロッキング法制化の推進に慎重論を述べた福井健策氏、まとまらなかったことに怒りを示しつつも「ステークホルダーがいない中で延長戦を行うのはフェアでない」と表明した瀬尾太一氏に、敬意を表したいです。 ■ 書籍の軽減税率適用めぐり出版団体が攻勢に 財務省は反発〈産経ニュース(2018年10月31日)〉 https://www.sankei.com/premium/news/181031/prm1810310002-n1.html  民間の管理団体が有害図書を峻別し「出版倫理コード」で管理することによって、書籍や雑誌にも軽減税率の適用を……という動きが、改めて記事に。目新しい情報はとくにありませんが、「(ロビー活動に)相当な手応えを感じているようだ」という下りは気になります。6月に、専修大学・植村八潮氏がYahoo!ニュース個人へ怒りの3連投をした際のピックアップを参考まで(↓)。 https://hon.jp/news/1.0/0/11906 ■ TPP11、12月30日発効へ 6カ国が国内手続き終了〈日本経済新聞(2018年10月31日)〉 https://www.nikkei.com/article/DGXMZO3715538031102018000000/  先週ピックアップした時点ではまだ「見込み」だったのですが、これで正式に年内発効することが確定しました。2019年から20年間、新たにパブリックドメインになる作家・作品は現れません。今後は、孤児著作物(オーファンワークス)対策や、柔軟な権利制限規定がどれだけ導入されるか、忘れられた作品をいかにして発掘するか、などが鍵になるでしょう。私が「出版ニュース」2018年1月上旬号へ寄稿した記事を参考まで(↓) https://hon.jp/news/1.0/0/14311 ■ 海賊版漫画や写真のダウンロード、違法化へ検討開始〈朝日新聞デジタル(2018年10月31日)〉 https://www.asahi.com/articles/ASLBY5PWWLBYUCLV01B.html  さてどう制度設計するのか。現行の著作権法第30条1項3号に静止画が加わるという程度の改正、という比較的あり得そうな前提で考えてみます。まず、「著作権侵害だということを知りながらダウンロードした場合」という要件があるので、知らずに画像をダウンロードした場合も違法ではない、ということになるでしょう。このあたりは必然的に、正規版配信認定マーク(出版版エルマーク)と密接に絡んできます。そういえば、9月2日にJILISが開催したシンポジウムで、村瀬拓男氏が「正規版配信認定マークの運用を2018年秋から始めると明らかにした」そうなので(↓参照)、そろそろなにか動きがあるかも? タレコミ歓迎です。 https://tech.nikkeibp.co.jp/atcl/nxt/news/18/02505/  また、刑事罰を定めた第119条3項は「有償著作物等」に限定されているので、現状の録音録画と同じ制度に落ち着くなら、紙本のスキャンデータか、電子書店で販売されてるものに限られると思われます。なお、現状の録音録画も、YouTubeなどのストリーミング配信の閲覧は違法じゃありませんし、キャッシュが残ってしまうのも違法じゃない、と文化庁が明言しています(↓参照)。結局、ストリーミング配信型の海賊版には効力が発揮できないことに。 http://www.bunka.go.jp/seisaku/chosakuken/hokaisei/download_qa/pdf/dl_qa_ver2.pdf  気になるのは「ブログなどに載ったイラストや写真が作者や撮影者の許可を得ずに転載されたと知りながら、ブログの画面をそのまま画像として保存することなども違法行為の対象として検討する」という記述。それ、誰が判別できるの……検討するのは構いませんが、かなり無理があるように思います。 ■ 漫画村運営者を特定、提訴を検討 無断掲載された漫画家〈朝日新聞デジタル(2018年11月1日)〉 https://www.asahi.com/articles/ASLC142WRLC1UTIL024.html  アメリカでCloudflareを提訴し情報開示に成功した事例とは、別件です。漫画家・たまきちひろ氏と代理人の弁護士・中島博之氏によるもの。東京地裁への提訴と、開示された情報によって特定できたとのこと。喜ばしい。 ■ 出版状況クロニクル126(2018年10月1日~10月31日)〈出版・読書メモランダム(2018年11月1日)〉 http://odamitsuo.hatenablog.com/entry/2018/11/01/000000  毎月楽しみな、小田光雄氏の出版状況クロニクル。暗い話題が多い中、光文社の「責任仕入販売、報奨企画」は面白い試み。先着100店限定で、初回10冊以上の事前注文に対し、70%以上の実売に1冊170円の報奨金を支払うというものです。本体1700円なので、10%上乗せということになります。書店の粗利率を増やして欲しいという要望が上がっているという話を耳にしますが、成功報酬型で試してみるということなのでしょう。うまくいくといいですね。 ■ ボイジャー、個人作家を応援する電子書店「理想書店」をオープン ~ BinBストアとRomancer Storeを統合〈HON.jp News Blog(2018年11月1日)〉 https://hon.jp/news/1.0/0/14244  ボイジャーの新たなチャレンジ。「理想書店」という名称を新サービスで復刻させたところに、同社の思いが込められているように思います。 ■ なぜ会議は決裂したのか、海賊版対策TFの議論を検証する〈日経 xTECH(2018年11月2日)〉 https://tech.nikkeibp.co.jp/atcl/nxt/column/18/00138/103000174/  これまでの経緯まとめ。非常に気になるのは、4ページ目の記述。「複数の県警が合同捜査を実施」していて「2017年末には逮捕間近との情報も」あったらしいのですが、「2018年2月、警察による捜査の動きが突然止まったという。捜査を再開したのは半年後の2018年8月だった」とのこと。なぜこの半年間、捜査の動きを止めたのでしょうか? ■ 著しく短縮して語る著作権延長問題の歴史と、これからどうなり、何をしていくのか〈HON.jp News Blog(2018年1月3日)〉 https://hon.jp/news/1.0/0/14277  TPP11発効が確定したことを受け、弁護士・福井健策氏がこれまでの経緯と、これからどうなり、どうすべきかをまとめています。クリエイティブ・コモンズ・ライセンスに基づき、HON.jp News Blogに転載させてもらいました。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━  お知らせ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ■ 日本独立作家同盟は、一般社団法人日本電子出版協会(JEPA)の会員になりました〈NPO法人日本独立作家同盟(2018年10月23日)〉 https://www.aiajp.org/2018/10/JEPA.html  JEPAと相互入会させていただくことになりました。日本独立作家同盟の正会員になると、日本独立作家同盟主催イベントの参加費無料などの特典のほか、JEPA主催セミナーも無料で参加できるといった優待が受けられるようになります。ぜひ正会員での入会をご検討ください。入会案内はこちらです。 https://www.aiajp.org/p/application.html ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━  寄付や協賛などのお願い ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━  NPO法人日本独立作家同盟が運営する非営利メディア「HON.jp News Blog」や、出版創作イベント「NovelJam」をはじめとするワークショップ・セミナー・ライトニングトーク大会などの事業活動は、皆さまからの寄付や企業協賛、会費などによって支えられています。一人ひとりのご支援が、出版の未来を拓く非営利活動の大きな力となります。ぜひご協力ください。 HON.jp News Blog メディアガイド https://hon.jp/news/mediaguide NPO法人日本独立作家同盟 寄付の受付窓口 https://www.aiajp.org/p/donation.html NPO法人日本独立作家同盟の入会案内 https://www.aiajp.org/p/application.html ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━  情報提供のお願い ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━  HON.jp News Blogでは、出版のイノベーションに関する情報を募集しています。プレスリリースや発表会・イベントなどの情報提供や、匿名でのタレコミなど、下記のリンク先からどうぞ。 https://hon.jp/news/tipster ------------------------------------------ 発行人:NPO法人日本独立作家同盟 編集人:HON.jp News Blog編集長 鷹野凌 mail: honjp@aiajp.org https://hon.jp/news/ ------------------------------------------  このメールマガジンは CC BY-NC-SA 4.0でライセンスされています。転送歓迎。ウェブなどへ転載する際は、HON.jp メールマガジンが出典であることを表記するのと同時に、HON.jp News Blogへのリンクを張っていただけると嬉しいです。 https://creativecommons.org/licenses/by-nc-sa/4.0/deed.ja