HON.jp メールマガジン #304 2024年12月9日版 Subject: HON.jp メールマガジン #304 2024年12月9日版 From: HON.jp編集部 Date: 2024/12/09 6:01 To: honjp@aiajp.org 📗週刊出版ニュースまとめ&コラムやHON.jpからのお知らせなどをお届けします。 HON.jpロゴ HON.jp メールマガジン #304 2024年12月9日版   膝で支えるタイプの椅子を愛用していたのですが、座面が根本からポッキリいってご臨終。背中を打っただけで済みましたが、ちょっと危なかった。そこで、ついに一念発起してスタンディングデスク環境を構築しました。原稿執筆が立ち仕事に。いままで使っていた机を棚にしたおかげで、床に積まれていた本がだいぶ片付きました。無くなったとは言わない。減らさないと無理。(鷹野) 【自社広告】 HON.jp年内最後のイベントは、毎年恒例の出版ニュース振り返りです。今年は「北米エンタメニュースまとめ」のlibroさんを加え、6人で語り合います。前半はどなたでも無料でご覧いただけます。もっと深く突っ込んだ話が聞きたい(したい)場合は、後半まで参加できる有料チケットをお求めください。 https://honjp-newscasting-special2024.peatix.com/ 週刊出版ニュースまとめ&コラム #644(2024年11月24日~12月7日) 文禄堂 高円寺店  編集長の鷹野が、広い意味での出版に関連する最新ニュースから気になるものをピックアップし、独自の視点でコメントします。同じ内容を HON.jp News Blog のウェブサイトでも公開していますので、SNSでシェアいただく場合や、リンクを貼っていただく場合は、こちらのURLをご利用ください。 https://hon.jp/news/1.0/0/53307    12月2日は休刊だったので、今回は2週間分の大増量版です。   【政治】   ◆ 豪政府、ネット誤情報規制を断念 野党「検閲」と法改正反対〈共同通信(2024年11月25日)〉 https://nordot.app/1233679159692837535    オーストラリアの上院(元老院)は少数与党なのですね。下院(代議院)は通ったけど廃案に。まあ、政府にそんな強い権限を持たせたら危ないというのは、ど正論だと思います。   ◇ 16歳未満のSNS禁止法案、豪で成立へ〈CNET Japan(2024年11月29日)〉 https://japan.cnet.com/article/35226705/    ところがこちらは、上院も可決で成立です。責任を課されるのは本人や親ではなく、ソーシャルメディア・プラットフォーム企業とのこと。対象は「Snapchat」「TikTok」「Facebook」「Instagram」「X」などです。どうやって年齢を確認するのか? という課題が残っているようですが、どうなることやら。   ◆ French booksellers accuse Amazon of trying to 'circumvent laws banning free book deliveries'(フランスの書店は、アマゾンが「書籍の無料配達を禁止する法律を回避しようとしている」と非難している)- News〈The Bookseller(2024年11月25日)〉 https://www.thebookseller.com/news/french-booksellers-accuse-amazon-of-trying-to-circumvent-laws-banning-free-book-deliveries    Amazonはフランスで、送料0円を禁止され、1セントも禁止され、それでもまた法の網の目を潜り抜ける手を考案したようです。リアル書店の店頭で受け取る注文は禁止対象から除外されているのを利用し、「主に書籍を販売する店舗」と言いつつ、スーパーマーケットに小さな書籍売り場があるショッピングモールに設置されたロッカーへ配送する、という手を打ってきたとのこと。なんというか、トンチ合戦ですねこれは。   ◆ Amazonに公正取引委員会が三たび調査、欧米の競争当局も問題視〈日本経済新聞(2024年11月26日)〉 https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUE258470V21C24A1000000/    通算3回目。こんどはマーケットプレイスです。カートボックスに優先表示されるか否かのところで「優越的地位の乱用」や「拘束条件付き取引」の疑いがあるということで立ち入り検査となりました。公取委の事務総長は会見で「(Amazonの)行為の影響は多面的かつ広範囲にわたる」として、広く情報提供を求める呼びかけを行ったそうです。    12月4日には窓口開設という記事が出たのですが、公正取引委員会のお知らせには公開日が書かれていません。他のお知らせにはちゃんと日付が入っているのに。しかもこれ、締切日も書かれていからいつまで募集しているのかもわからない。おーい。   ◆ 「海賊版サイト」 AIで検知する新対策システム構築へ 文化庁|アニメ〈NHK(2024年12月1日)〉 https://www3.nhk.or.jp/news/html/20241201/k10014655081000.html    これは良い。国がちゃんと予算をつけてこういうシステム構築に動くというのは、とても良いことだと思います。補正予算約3億円というのは、ちょっと少ないですが。政府がここしばらく数年ごとに更新し続けてきた「インターネット上の海賊版に対する総合的な対策メニュー及び工程表」には無かった方向性の対策だと思うので、どこから出てきた話なのかちょっと興味深い。あ、もしかして「デジタルフォレンジック調査の推進等」なのかな?    ちょうど同じようなタイミングで公開された講談社メディアカンファレンス2024のレポート記事には、こんな記述もありました。   中山 特に資金援助してほしい領域はありますか? 高見 何はともあれ海賊版対策です。    講談社のグローバル統括室・室長が、この10年海外展開を見てきたうえで「何はともあれ」と海賊版対策を望んでいるというのがポイントでしょう。コンテンツ輸出20兆円という高い目標を達成するには、金も、人も、知恵も、まだまだ足らないということなのだと思います。   ◆ 韓国大統領が非常戒厳宣言 「野党が内乱画策」、言論を統制〈共同通信(2024年12月4日)〉 https://nordot.app/1236683330001273745   ◇ 韓国大統領、非常戒厳を解除 6時間で軍撤収、政権は苦境に〈共同通信(2024年12月4日)〉 https://nordot.app/1236761471064785652    韓国で45年ぶりの「非常戒厳宣布」は、6時間で解除されました。非常戒厳宣言を布告すると、言論・出版統制もできてしまうのですね。恐ろしい。早期終息したのは決して運ではなく「死ぬ覚悟で来た」という韓国市民と国会議員によるものだという記事を読んで、心が震えました。いざというとき、自分はこういう行動ができるだろうか? と自問せずにはいられません。   ◆ Internet Archive Copyright Case Ends Without Supreme Court Review(インターネットアーカイブ著作権訴訟は最高裁の審理なしに終了)〈Publishers Weekly(2024年12月5日)〉 https://www.publishersweekly.com/pw/by-topic/industry-news/publisher-news/article/96657-internet-archive-copyright-case-ends-without-supreme-court-review.html    インターネットアーカイブが最高裁に上告しないことを決定、敗訴が確定しました。賠償金がいくらになるのか……と思っていたら、この記事内に昨年8月の控訴審判決記事へのリンクがあって、出版社の勝訴が確定した場合は、出版社の弁護士報酬と費用を実質的に負担することと、Internet Archiveがスキャンデータを破棄することで、合意していたことが記されてました。当時、見落としたか、見ても忘れたか。   something that should assuage initial concerns expressed by some who feared a massive damage award might force the nonprofit IA to cease operations.(巨額の損害賠償金の支払いにより非営利のIAが業務停止に追い込まれるのではないかと懸念していた一部の人々の当初の懸念を和らげるものである)    ともあれ、私の懸念も和らぎました。しかしとうとうこれで Controlled Digital Lending は違法ということが確定してしまいました。National Emergency Library さえやらなければ、グレーなまま当分は続けられていたんだろうなあ……。   ◆ 五輪汚職、角川歴彦被告公判 「報酬承諾に同席」とKADOKAWA社員〈サンスポ(2024年12月6日)〉 https://www.sanspo.com/article/20241206-OSE7ILI455MKRNPETBBLVMXDTM/   社員は五輪担当室に在籍していた。証言によると、2018年末に上司だった元担当室長(65)=贈賄罪で有罪確定=と角川被告らとの打ち合わせに出席。角川被告が「ちゃんとうまくやれよ」と支払いを了承し、元担当室長が「このことは墓場まで持って行きます」と応じたと説明した。    うーわ。なんだかその情景が目に浮かぶようです。しかし、元担当室長は公判で「記憶にない」と言ってるんですね。忠義だなあ。元担当室長は墓場まで持っていくという誓いを守っているけど、同席した他の社員は守ってくれなかった、ということに。   【社会】   ◆ クレカ表現規制に対するVisaの見解、山田議員が日本法人に「価値判断しない」と再確認 社長の発言を受け〈ITmedia NEWS(2024年12月3日)〉 https://www.itmedia.co.jp/news/articles/2412/03/news133.html   ◇ 原因は“伝言ゲーム”? クレカ表現規制で赤松健氏、山田太郎氏らが集会 規制の背景や国内外の現状を解説〈ITmedia NEWS(2024年12月5日)〉 https://www.itmedia.co.jp/news/articles/2412/04/news200.html    クレカ表現規制は、Visaが「取引について、合法であるコンテンツ等に対する価値判断は行っていない」と関与を否定したところあたりから、ちょっと状況がよく見えなくなっているのが正直なところ。だから、うぐいすリボン主催の院内集会には行きたかったのですが、都合が付かず。レポート、大変ありがたいです。プレイヤーが多くて複雑なので図解がうれしい。    VisaやMastercardといった「国際ブランド」と、加盟店と契約する決済会社の「アクワイアラー」と、利用者と契約して代金回収を行う「イシュアー」。いま問題になっているのは加盟店に対する締め付けです。「国際ブランド」の本部が関与していないなら、あとは「国際ブランド」の支社レベルの問題か、「アクワイアラー」の暴走か。    あと、アメリカでは「日本で起きているような問題のコンテンツはそもそも対象外である」というジャック・ラーナー教授の発言も重要なポイントでしょう。それが確かなら、これまで流布していた「Pornhub」の裁判を受けて厳しくなったという予測は、外れていたことに。   ◆ ライフカードの“IWF加盟声明”が物議 「必要に応じて改善をお願いする」→ネット上では「検閲を始めるのか」の声〈ITmedia NEWS(2024年12月3日)〉 https://www.itmedia.co.jp/news/articles/2412/03/news135.html   ◇ ライフカードがInternet Watch Foundation に加盟〈ライフカード株式会社のプレスリリース(2024年12月2日)〉 https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000248.000009391.html    こちらもクレカ表現規制関連。ライフカードのプレスリリースを読んで、趣旨がちょっと曖昧だから広報に確認をしようと思ったら、なんと問い合わせ先が書いてないという。いろいろ調べたら結局、親会社のアイフルが広報窓口になっていることがわかりました。問い合わせているあいだにX(旧Twitter)等では見事に燃え広がり、ITmedia NEWSの記事でさらに延焼。「ライフカードを解約しました」などの反響も、相当数観測しています。    プレスリリースの記述が「国際的な基準に照らした場合、特定の商材が誤解を生む可能性が指摘されています」「サイト上のコンテンツを定期的に確認し、必要に応じて改善をお願いすることで、グローバル基準を満たす安全な取引環境の維持を目指します」と、昨今の情勢を考えると非常に可燃性が高い言い方なんですよね。センシティブな話題でもあるので、慎重に扱いたいところです。    ただ個人的には、少なくとも「児童ポルノ」(child pornography)ではなく「児童性的虐待コンテンツ」と書いている点は評価に値すると思っています。そこはちゃんとルクセンブルク・ガイドラインに則っているわけです。ただ、英語ではContentsではなくMaterialで、Child Sexual Abuse Material(CSAM)が正規の表現だという認識です。    調べてみたら、IWFは「児童ポルノと呼ぶな」と主張している団体なんですよ。つまり、被害者のいる性虐待記録物と、被害者のいない創作物は大違いだから、そこはちゃんと区別しましょうという趣旨のようにも読めるプレスリリースだと私は感じました。その点を、アイフル広報に確認していたのです。    で、実はこの週末に、アイフル広報から回答を受け取っています。要約することで曲がって伝わってしまうのも嫌なので、全文そのまま転載いたします。    前提といたしまして、VISAならびにMastercard(以下、国際ブランド)は、児童性的虐待を含む違法商材のカード決済を禁止しており、アクワイアラ(加盟店管理会社)に対して加盟店管理を義務付けております。    アクワイアラであるライフカードとしては国際ブランドが取り扱いを禁止する商材を検知し、加盟店でのクレジットカード決済を持続させるために、国際ブランドも加入しているIWFへ加入いたしました。    あくまで国際ブランドが取り扱いを禁止する商材を検知するためであり、安全な取引環境の維持を目指していきたい所存です。    ライフカードは加盟店のアクワイアラとして、国際ブランドが禁止している商材の決済を発生させないためまた加盟店の安全な取引環境の維持のためにIWFの情報を使用し、国際ブランドならびに関係組織と連携することでより安全な取引環境の維持を目指すことが加盟店のクレジットカード決済環境の提供を通して支援につながると考えております。    本件に関しましては、SNSなどの反響を見ると、弊社の意図が十分に伝わっていない部分がございましたが、あくまで加盟店管理を行うカード会社としてIWF加入することで児童性的虐待などを検知し、健全な取引環境の維持に取り組んで参ります。    この「あくまで国際ブランドが取り扱いを禁止する商材を検知するため」という回答は、やはり被害者のいない創作物は「国際ブランドが取り扱いを禁止する商材」ではないと判断しているように読めます。国際ブランドが取り扱いを禁止する商材には「法律等で販売を禁止する商材」などがあります。    日本でも児童性的虐待記録物(CSAM)は所持しているだけで違法です。しかし、被害者のいない創作物は合法です。院内集会での「日本で起きているような問題のコンテンツはそもそも対象外」を踏まえても、これは筋が通っているように思えます。   ◆ 海賊版サイトの10月期国内アクセス数、過去最悪の4億6000万に〈新文化オンライン(2024年12月6日)〉 https://www.shinbunka.co.jp/archives/9318    おおっと? マジですか。詳細が知りたい。ところがこの記事は「ABJはこのほど~発表した。」という書き方で、いつどこで発表したのか、どこにソースがあるか、まるでわかりません。ひとまずABJの公式サイトを調べましたが、お知らせは本稿執筆時点で11月6日が最新でした。うーん、どこだ。   【経済】   ◆ 社会のDXが進む中、産業としての出版はこれからどう変化していくのか?【HON-CF2024レポート】〈HON.jp News Blog(2024年11月28日)〉 https://hon.jp/news/1.0/0/52960    メディアドゥ上級顧問の新名新氏による基調講演Ⅱのレポートを小桜店子氏に執筆いただきました。中身の濃い内容だったため、レポートも4000字超と気合いが入っています。マンガなど産業としての出版で稼いで、文化事業としての出版に還元していくような流れが、今後はよりいっそう強くなるのでしょうか。それが可能なのは上場していない大手だけかもしれない、なんてことを思いました。   ◇ 2040年、出版の未来(第一回) 寄稿・メディアドゥ上級顧問 新名 新〈株式会社メディアドゥ(2024年11月29日)〉 https://mediado.jp/medicome/industry/7738/    関連で、メディアドゥオウンドメディアの「Medicome!」でも新名氏の連載が始まっています。HON-CF2024では20世紀末から現在にかけての話が中心でしたが、こちらはまず蔦屋重三郎の話から出版業の歴史を紐解いています。長編になりそう。期待。   関係性開示:メディアドゥには、HON.jpの法人会員として事業活動を賛助いただいています。しかし、本欄のコメント記述は筆者の自由意志であり、対価を伴ったものではありません。忖度もしていません。   ◆ 紀伊國屋書店・CCC 旭屋書店と東京旭屋書店の株式譲渡契約締結〈The Bunka News デジタル(2024年11月29日)〉 https://www.bunkanews.jp/article/402776/   ◇ ベネッセ、「デジタルハリウッド大学」運営会社を買収 企業研修など充実〈日本経済新聞(2024年11月29日)〉 https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC276QT0X21C24A1000000/    CCCが旭屋書店・東京旭屋書店とデジタルハリウッドを売却。たまたまなのか合わせたのか、同日の発表です。なお、本稿執筆時点でも、売った側のCCCはなにもお知らせを出していません。さて、3社の株式を売ったお金は何に使うんでしょう?   ◆ 動画メディア「文藝春秋PLUS」公式YouTubeチャンネルがスタートしました! 初の動画はYouTubeで合計79万回再生と大反響〈株式会社文藝春秋のプレスリリース(2024年12月2日)〉 https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000570.000043732.html    サブスク会員向けの「文藝春秋電子版」ではこれまで、限定動画番組(ウェビナー)を配信してきたのを止め、今後は動画メディア「文藝春秋PLUS」として主にYouTubeで無料の動画番組を配信していくとのこと。テキストはそのままですが、動画はビジネスモデルを転換する形です。    そういえば、私の2021年予想の5番目は「映像コンテンツの需要がより高まる」、2022年予想の5番目は「映像を活用したマーケティング活動が広がる」でした。出版社としては、ノウハウの少ない映像コンテンツを販売するより、映像コンテンツをマーケティングに活かすほうが、やりやすいかもしれません。   【技術】   ◆ 電子ペーパーデバイス市場で起きている2つの変化 「カラー電子ペーパー」が拓くペーパーレスの新時代 | インターネット〈東洋経済オンライン(2024年11月28日)〉 https://toyokeizai.net/articles/-/842441    富士通クライアントコンピューティング(FCCL)の新型カラー電子ペーパー端末「QUADERNO(クアデルノ)」についての話が中心です。いわゆるデジタルペーパー系の系譜で、用途は手書きノートとか楽譜など。以前ソニーから出ていたデジタルペーパー同様、PDFは閲覧できるけどEPUBは読めない端末です。書き込み用途には良いんでしょうけどね。    それはそうと、電子書籍用途の端末についての話題で、日本に販売代理店があるBOOXはともかく、日本未発売のカラーKindleには言及しておきながら、Kobo Libra Colour・Kobo Clara Colourあたりがなぜかスルーされてるのが気になりました。ノート機能のあるKobo Elipsaには触れているのに。なんでやねん。かわいそうに。   ◆ グーグルが超大手ニュースサイトの間借りアフィに対策。ポリシー厳格化+取締強化で【SEO情報まとめ】 | 海外&国内SEO情報ウォッチ〈Web担当者Forum(2024年11月29日)〉 https://webtan.impress.co.jp/e/2024/11/29/48215    ちょっと前に、某サイトのサブドメインに「電子コミック新聞」などという違うサイト名で「全巻無料」系の記事が大量に更新されているのを(Googleアラートが)見つけたことがありました。タイトルの「全巻無料」は釣りで、どの記事もだいたい冒頭に「全巻無料で読む方法はありませんが」と書いてあるパターンです。    恐らく、検索で海賊版を探している人に正規の電子書店を紹介することにより、アフィリエイトで稼ぐモデルだろうと想像していました。いまにして思えば、この記事の言う「間借りアフィ(寄生サイト)」の一種だったんでしょう。ペナルティを食らったのか、最近はあまり(Googleアラートでは)見なくなりました。   ◆ AIで校正や制作を自動化し納期を約30分の1にして印税を100%還元する自費出版サービス「Spines」が既存の出版業界から反発を受ける〈GIGAZINE(2024年12月2日)〉 https://gigazine.net/news/20241202-spines-ai-publishing-platform/    料金表を確認してみたのですが、初期費用の「1824ドル(約27万円)から5496ドル(約83万円)」はあくまで制作費+著者コピー(10部から50部)代ですね。著者コピーは「無料」と謳われているけど、初期費用に含まれていると思われます。    問題は、販売用の本の製造(印刷製本)コストがどこにも書かれていない点。「Essential」プランはAmazon PODのみなので、製造コストは売れたときだけ。しかもそれは読者負担だから、初期費用に含まれないのは当然のこと。でも、その単価が書かれてません。「100% Sales Royalties」って、あくまで製造コストを引いたあとの話ですよね。    「Signature」と「Paramount」プランにはハードカバーも含まれているんだけど、こっちも製造コストがわかりません。初期に何部刷るんでしょう? それは初期費用に含まれているのでしょうか? 書いてないんだなこれが。そこが不明瞭じゃ、ダメでしょ。   ◆ 新興が「肖声権」システム開発へ 音声AIから権利保護〈日本経済新聞(2024年12月5日)〉 https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC056KX0V01C24A2000000/    声の波長をブロックチェーンに記録して、使用された場合に収益還元を行う仕組みとのこと。テクノロジーによる解決というのは、私好みで良い。じつに良い。頑張ってほしいなあ。   ◆ 記事「偏り」をAIで表示 米有力紙が計画、記者は反発〈日本経済新聞(2024年12月7日)〉 https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN06E330W4A201C2000000/    うーわ。自分が判定される側になることを想像したら、そりゃ反発しますわ。まあ、記者が所属しているメディア自身がやるのではなく、第三者機関が判定する「勝手評価」のような形だったらあり得るかもしれませんが。近いうちにそういうサービスが出てきそうですね。とはいえ、そもそもAIの学習用データが偏っていたら、判定も偏ってしまうわけですが。 よかったらこの記事をシェアしてください! Xでシェア Facebookでシェア Mastodonでシェア Blueskyでシェア 本稿は CC BY-NC-SA 4.0でライセンスされています。転送歓迎。ウェブなどへ転載する際は、HON.jp メールマガジンが出典であることを表記するのと同時に、HON.jp News Blogへのリンクを張っていただけると嬉しいです。 https://creativecommons.org/licenses/by-nc-sa/4.0/deed.ja NPO法人HON.jpは、本(HON)のつくり手をエンパワーする非営利団体です。「HON.jp News Blog」などのメディア事業、「HON.jp Books」などの出版事業、セミナー・カンファレンス・出版創作イベント「NovelJam」などのイベント事業を行っています。   事業収入だけでこれらの活動を継続するのは難しく、会費や寄付などみなさまのご支援が不可欠です。会員は随時募集中でさまざまな特典もご用意しています。さらなるご支援をお願いいたします。   ◆ 入会案内 https://www.aiajp.org/application ◆ 寄付のご案内 https://www.aiajp.org/donation ◆ 広告掲載のご案内 https://hon.jp/news/ad 発行人:NPO法人HON.jp 編集人:HON.jp News Blog編集長 鷹野凌 mail: honjp@aiajp.org 配信数:2563通 このメールマガジンは、HON.jp からのお知らせや、HON.jp News Blog 編集長 鷹野凌による「週刊ニュースまとめ&コラム」などを、原則、毎週月曜日の朝に配信しています。配信対象は、HON.jp News Blog から購読を申し込まれた方々と、これまで HON.jp とご縁があった方々です。   配信には Benchmark Email を利用しています。メール内のリンクはすべて bmetrack.com のサブドメインに自動変換されています。これは、Benchmark Email のシステムが開封率やクリック率などを計測しているためです。計測後、本来のURLへ自動転送されます。   不要な場合はお手数ですが、末尾の「配信停止」からお手続きください。 フォローして最新情報をチェック! 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