Subject: HON.jp メールマガジン #140 2021年7月19日版 From: HON.jp編集部 Date: 2021/07/19 6:46 To: xxx@xxx 📕 週刊出版ニュースまとめ&コラムやHON.jpからのお知らせなどをお届けします。 HON.jpロゴマーク HON.jp メールマガジン #140 2021年7月19日版  このメールマガジンは、HON.jp からのお知らせや、HON.jp News Blog 編集長 鷹野凌による「週刊ニュースまとめ&コラム」などを、原則、毎週月曜日の朝に配信しています。配信対象は、HON.jp News Blog から購読を申し込まれた方々と、これまで HON.jp とご縁があった方々です。  配信には Benchmark Email を利用しています。メール内のリンク URL はすべて bmetrack.com のサブドメインに自動変換されています。これは、Benchmark Email のシステムが開封率やクリック率などを計測しているためです。計測後、本来のURLへ自動転送されます。  このメールマガジンが不要な場合はお手数ですが、末尾の「配信停止」からお手続きください。 【自社広告】 あなたの読み終えた本が、本(HON)のつくり手をエンパワーする活動の力になります。古本で寄付する仕組み「チャリボン」をぜひご活用ください。 https://www.charibon.jp/partner/hon-jp/ 週刊出版ニュースまとめ&コラム #481(2021年7月11日~17日)  編集長の鷹野が、広い意味での出版に関連する最新ニュースから気になるものをピックアップし、独自の視点でコメントします。 【政治】 ◆ 【独自】往年の作品、ネット配信しやすく…著作権不明でも料金納付すれば使用可能に〈読売新聞オンライン(2021年7月13日)〉 https://www.yomiuri.co.jp/economy/20210712-OYT1T50269/ ◆ 知的財産戦略本部、「知的財産推進計画2021」を決定:大量・多種多様なコンテンツに関する一元的権利処理制度の実現等を目指す〈カレントアウェアネス・ポータル(2021年7月14日)〉 https://current.ndl.go.jp/node/44425  今年も出ました、知的財産推進計画2021。概要のポンチ絵が、いつも以上に意味がわからない……。「3. 21世紀の最重要知財となったデータの活用促進に向けた環境整備」と「4. デジタル時代に適合したコンテンツ戦略」あたりが、私たちには大きく関わってきそうです。  拾い読みしてみたところ、知的財産戦略本部の「デジタル時代における著作権制度・関連政策の在り方検討タスクフォース」が3月に発表した中間まとめの時点で、「①補償金付き権利制限、②集中管理と補償金付き権利制限の混合型、③拡大集中許諾、④裁定制度の抜本的見直しの4つについて比較・分析を提示」していたという記述に気付きました。マジか。  読売新聞の「往年の作品、ネット配信しやすく」というのは、つまり「著作権者不明等の場合の裁定制度」の抜本的な見直し、ということになるのでしょう。ちょうど7月19日から文化審議会著作権分科会が始まるので、恐らくそこでもこれから話し合われる流れになるのでしょう。文化庁の資料はこちらで公開予定です(↓)。 https://www.bunka.go.jp/seisaku/bunkashingikai/chosakuken/bunkakai/index.html 【社会】 ◆ 中学生はスマホで9.1%、高校生でも26.2%…小中高校生の電子書籍利用の実情(不破雷蔵)〈Yahoo!ニュース個人(2021年7月13日)〉 https://news.yahoo.co.jp/byline/fuwaraizo/20210713-00245017/  内閣府が2021年3月に報告書を発表した「令和2年度青少年のインターネット利用環境実態調査」のグラフ化。去年の11月~12月調査です。1人1台のGIGAスクール端末の影響は、まだ出てないのかな? という感じの数字。設問表には「何をしているか」の対象に「電子書籍」とだけ記述されていて、それがなにを指すのかなど具体的な説明は無いそうです。  つまり、小中学生がなにを「電子書籍」だと認識しているかによって、大きく数字が変わりそうな余地がある調査とも言えるでしょう。たとえばベネッセや学研が子供向けに提供している電子図書館サービスは結構利用率が高いはずなんですが、ブラウザ閲覧方式なので「ウェブと同じもの」あるいはその延長上でしか捉えられていない可能性があると思うのです。「電子書籍」だと思われていないかも。  私は大学の授業で毎年、学生に「あなたは現在電子書籍を利用していますか?」というアンケートをとっています。あえて「電子書籍」の定義は提示せず、「あなたが電子書籍だと思っているもので構いません」としています。代表性がまったくないのは承知の上ですが、利用率は年々上がっている傾向が見られます。  そしてこの質問に続けて、「あなたにとっての電子書籍はどれですか? 1つ前の質問で、あなたが電子書籍だと想定したものを全てチェックしてください」という質問もしています。すると、「Kindle」や「Kobo」さえ「電子書籍」だと認識してない学生が毎年少なからずいるんですよね。「なぜ?」というところまで深掘りしていないんですが、少々不思議ではあります。次回は深掘りしてみようかな。 【経済】 ◆ トーハン、大日本印刷/全面的提携、製造と物流の連携目指す〈L news(2021年7月12日)〉 https://nordot.app/787177048248352768?c=491375730748638305  業界関係者がびっくりしていたニュース。私はこれは、大手出版社が自社のオンデマンド印刷機でやりはじめたような製造・流通改革を、大日本印刷&トーハンがタッグで中小出版社向けにやる、ということだと受け止めました。「1冊から製造可能なDNPの書籍製造一貫工場」の稼働率を高めることが、ビジネスとしての成功のカギを握るとのではないかと。  回収リスクはロット生産より圧倒的に低いわけですから、ひとり出版社レベルでも取引先としてどんどん裾野を広げたほういいでしょう。書店の店頭で取り寄せを頼んだら、すぐにオンデマンド印刷機で製造して出荷、翌日には書店に届いている――くらいのことができるようになると、いろいろ状況が激変しそうです。  ところで、トーハンと凸版印刷が折半出資して1999目年に設立した、「オンデマンド技術を活用した出版イノベーション」に取り組んでいる株式会社デジタルパブリッシングサービスの立場はどうなりますか(↓)。 https://d-pub.sakura.ne.jp/htmls/contents_company.html ◆ アマゾンが購入したトークンで1話ずつ読み進めていく連載小説プラットフォーム「Kindle Vella」を米国で開始〈TechCrunch Japan(2021年7月16日)〉 https://jp.techcrunch.com/2021/07/16/2021-07-14-amazon-launches-its-mobile-first-kindle-vella-serialized-story-platform/  4月に著者向けの予告が出ていて #469 でピックアップした新サービスが、いよいよ開始に。最初の3話は無料で、先を読むには有償の「トークン」が必要になるというスタイルの、連載方式投稿サイトです。韓国NAVERに買収されたカナダの「Wattpad」対抗と受け止められているようですが、果たしてどうなるか。作家から見ると、パッケージを自分で作って販売する必要がある従来の「Kindle Direct Publishing」に比べたら、参入へのハードルがだいぶ下がりそうではあります。問題は読者がどう動くか、ですが。 【技術】 ◆ Web記事の校正を自動化する「Shodo」提供開始。月額1,000円〈PC Watch(2021年7月14日)〉 https://pc.watch.impress.co.jp/docs/news/1337995.html  オープンベータ版が始まったころに #460 でピックアップしていたサービスが正式版に。ベータ版のうちに試してみようと思いアカウントは作ったんですが、結局試さずじまいになってしまった……。ただ、レビュー機能は無料のまま。AI校正や表記ゆれチェックなどが使えるコースでも月額1000円と、比較的リーズナブルです。Googleドキュメントだと、コメントするといきなり相手へ通知が飛んでしまうなどいろいろ限界を感じる部分もあるので、代替手段として検討してみたい。 ◆ Microsoft、月額制クラウドPC「Windows 365」を8月提供開始。Windows 11にも対応〈PC Watch(2021年7月15日)〉 https://pc.watch.impress.co.jp/docs/news/1338124.html  Azureで、青天井の従量課金で提供されていた仮想デスクトップサービスが、月額固定料金に。HTML5に対応したウェブブラウザからアクセスできます。「Windowsじゃないと動かないアプリ」はわりとたくさんありますが、それがAndroidやiOS、Macなどでも利用できることに。  問題はいくらになるか? ですが、それは8月2日のサービス開始と同時に発表されるとのこと。プラン名が「Business」と「Enterprise」で、基本は企業や学校が対象。AADアカウントを持っていれば個人でも利用できるようですが、料金的にはどうだろう……? ◆ 2.2億枚の国会図書館資料をLINE「CLOVA OCR」でテキスト化〈Impress Watch(2021年7月15日)〉 https://www.watch.impress.co.jp/docs/news/1338493.html  国立国会図書館のデジタル化資料は、要するに画像データなので、これまで本文は目で見て確認するしかありませんでした。今後はテキストでの全文検索が可能に。改正著作権法による来年度の入手困難資料家庭配信開始と合わせ、かなり強いインパクトがありそうな動きです。  LINEが受注したのは過去にデジタル化されたぶんで、昭和前期以前の古い本が中心。ルビ、割注、割書き、図表のキャプションなど、学習機能のない従来型のOCRだと難しかった部分をLINE「CLOVA OCR」の採用によりクリアする、とのこと。学習の成果は、APIで外部提供されることになるのでしょう。  なお、関係者から教えていただいたのですが、これから新しくデジタル化される資料用のOCRソフトウェア開発はLINEではなくモルフォAIソリューションズが受注しており、そこには凸版印刷も協力しているそうです。こちらのリリースを参照(↓)。 https://www.morphoinc.com/news/20210518-jpr-mais_ndl 会員申込みや寄付などについて  NPO法人HON.jpは、本(HON)のつくり手をエンパワーするため、ウェブメディア「HON.jp News Blog」やメールマガジンなどのメディア事業、出版創作イベント「NovelJam」の開催やセミナー・講習会などのイベント事業、出版事業などを行っています。  当法人の事業活動は、みなさまのご支援のおかげで継続できています。いつもありがとうございます。正会員・賛助会員(個人/法人)は随時募集しており、さまざまな特典もご用意しています。また、寄付も受け付けています。さらなるご支援をよろしくお願いいたします。 ■ NPO法人HON.jp正会員のご案内 https://www.aiajp.org/application/regular-member ■ NPO法人HON.jp賛助会員のご案内 https://hon.jp/news/supporter ■ NPO法人HON.jpへの寄付受付窓口(Syncable) https://syncable.biz/associate/honjp/donate/ ■ 読み終えた本で寄付できる「チャリボン」 https://www.charibon.jp/partner/hon-jp/ 広告掲載のご案内  HON.jp News Blogは、これからも本(HON)を作ろうとしている人々に、国内外の事例を紹介し、デジタルパブリッシングを含めた技術を提供し、意見を交換し、仮説を立て、新たな出版へ踏み出す力を与えるメディアです。運営は、NPO法人HON.jp メディア部会が行っています。このメディアへの広告掲載は、随時募集しています。当メルマガへの広告掲載も可能です。詳しくは下記のリンク先をご覧ください。 ■ 広告掲載のご案内 https://hon.jp/news/ad 発行人:NPO法人HON.jp 編集人:HON.jp News Blog編集長 鷹野凌 mail: honjp@aiajp.org https://hon.jp/news/ 配信数:2569通 このメールマガジンは CC BY-NC-SA 4.0でライセンスされています。転送歓迎。ウェブなどへ転載する際は、HON.jp メールマガジンが出典であることを表記するのと同時に、HON.jp News Blogへのリンクを張っていただけると嬉しいです。 https://creativecommons.org/licenses/by-nc-sa/4.0/deed.ja フォローして最新情報をチェック! 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