東京ビックサイトで「IDPF EPUB3 CONFERENCE」が開幕、日本語組版への対応は予想以上の出来

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【編集部記事】東京都・東京ビックサイトで、7月4日から「第16回国際電子出版EXPO」が開催されたことに併せて、次世代の電子書籍ファイルフォーマット「EPUB3」に関する公式カンファレンス「IDPF TOKYO CONFERENCE」も開幕した。

 基調講演では講談社・野間省伸社長、楽天・三木谷浩史会長、丸善CHIホールディングス・小城武彦社長、IDPF・Bill McCoy事務局長が講演を行なったが、電子書籍の制作現場関係者にもっとも注目される午後の実務者向け有料セミナーもやはり満杯状態。

 まずはIDPFがビューワー開発者向けオープンソースプロジェクト「Readium」の概要を説明し、ボイジャー社が日本語組版、ACCESS社がWebKit側、NPO法人支援技術開発機構がアクセシビリティに関して対応状況をデモ。



左からIDPF・Makus Gylling氏、ボイジャー・小池利明氏、ACCESS・浅野貴史氏、支援技術開発機構・濱田麻邑氏

 なお、「百聞は一見に如かず」なので、実際に最新状況を確認したい制作関係者は下記手順で確認できる:

ステップ1)Mac OS Xマシンを用意
ステップ2)最新の「Readium Custom Chromium」ブラウザをダウンロード
ステップ3)ステップ2でダウンロードした「Chromium」ブラウザを起動
ステップ4)「 http://readium.org/ 」サイトへ行き、ページ左の「+ADD TO CHROME」ボタンでReadiumビューワをインストール
ステップ5)Readiumビューワを起動し、制作中の日本語EPUB3ファイルを表示確認

 編集者がとくに気にしている字下げ・縦中横・ルビ補正・禁則・約物処理・和欧混植などが、想像以上に完成度が高いことに気がつくだろう。

 なお、後で行なわれた座談会で、IDPF・CTOのMakus Gylling氏は、EPUB3における日本語対応の効用について、「たとえば、ルビが存在しない西洋言語でも、言語翻訳などといった現場で、意外な活用方法が生み出されるかもしれない」とデジタルリテラシー文化創造に日本文化が貢献する可能性を示唆していた。【hon.jp】

問合せ先:IDPF TOKYO CONFERENCEサイト( http://idpf.org/tibf-2012/

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