【EPUB有料連載リンク】第12回 Starbuck’sで火曜日にアップデート – ジェリー・パーネル/訳・林田陽子「新・混沌の館にて」

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※いつもhon.jp DayWatchをご覧いただきましてまことにありがとうございます。

 いつもご覧いただいております読者の皆さまへの御礼も兼ねまして、今年9月から週1回程度、IT書籍の翻訳家として有名な林田陽子氏が個人で権利取得・有料配信スタートしました米国ITコラムニスト・ジェリー・パーネル氏の「新・混沌の館にて」を冒頭部分のみ抜粋して掲載しております。

 業界関係者の方は、EPUBを使った個人による新しい電子出版モデルの一例として、研究の参考にしてみてください。—hon.jpシステム部

10月コラムより

Starbuck’sで火曜日にアップデート

私は、先日Leo Laporteのラジオ番組に電話をしてきた人の話を聞いた。彼女は自動アップデートを停止させる方法を尋ねた。時間がかかって、彼女のシステムのインターネット・アクセスが遅くなるというのだ。どうやら彼女はダイヤルアップ接続をしているらしかった。Windowsアップデートは数十Mバイト、時には数百Mバイトのことさえある。だから、ダイヤルアップだと長い時間がかかる。Leoのアドバイスは、定期的にStarbuck’sにラップトップを持っていって、無線接続で、システムをアップデートするようにして、さらにそれを、Microsoft Windowsのアップデート日である毎月第2火曜日にするように、というものだった。私の妻は、「Starbuck’sにあんな高いお金を払う必要はないわよ」とコメントした。McDonaldの多くの店で今は無線接続ができて、ここのコーヒーも同じくらいおいしい。

Microsoftが第2火曜以外にも、知らないうちにセキュリティ・アップデートを提供することがあることに注意してほしい。

システムを常に最新にしておくこと。そしてアップデートをできるだけ早く行うことは、非常に重要だ。Microsoftがセキュリティ・アップデートをリリースするというのは、修正すべきシステムの脆弱性があると認めているのと同じだ。これは腕のいいハッカーへの通知であって、彼らは一仕事しようとする。なぜなら、システムをアップデートするのを先延ばしにする人が多く、侵入口が悪漢たちに開かれたままになっているからだ。最近では、ハッカーは名誉や、ハッカーの間で名を上げるために何かをしたりしない。また、彼らは有名になるのを嫌がる。彼らが欲しいのは、自分の思い通りにできるシステムだ。そして通常のワームは、自分が侵入したのとは別の小さな脆弱性を付け加えて、後から操作できるようにして、システムがそれ以上何かに感染しないよう保護する。他のワームは邪魔になるからだ。それから、しばらくおとなしくしている。最終的に、ワームは侵入元に指示を求める。その頃までには、システムはアップデートされて、それと同じワームが侵入できる脆弱性はなくなっている。だが、もう遅い。だから、私は、ESETやNortonなどの外部の、きちんとメンテナンスされているスキャナーで自分のシステムをスキャンするのだ。

【つづきは「新・混沌の館にて」サイトで http://www.sciencereadings.com/

「これは電子書籍です」

6月末にいよいよサイトをオープンして、1か月間は最新コラムを今までと同じように毎週更新して、「無料お試し読み版」として提供することにしました。

7月の1週目に第2回目を無事に更新しました。そのころ、制作者からメールが来ました。「EPUBを作成してみます」。何の事だかよく分かりませんでしたが、自分の仕事で手一杯で、尋ね返すこともしませんでした。

実はその数日前に私はAppleストアでiPadを見ていました。正直、今買うのは早いと考えていましたが、サンプルの「くまのプーさん」で初めてiBooksビューワを使いました。

ストアのスタッフの人に「iBooksの本を作るにはどうすればいいんですか?」と尋ねると「うちが審査をしますので、企業の方に最初にアプリケーションを作ってもらいます」と言われたのです。私はその時は何も分かっていなかったので、「コンテンツではなくて、アプリケーションですか?」と確認すると「アプリケーションとコンテンツと両方です」とのこと。そんなことは私にはできないと思ってそれ以上尋ねるのを止めました。

数日後、制作者からEPUBファイルのテスト版ができたとメールが来ました。添付ファイルを開けて驚きました。パーネル氏の写真付きの「新・混沌の館にて」がiPadに入っている写真のショットがありました。「これはどうやったんだろう・・・?」

私はこの頃、iBooksのことなど考える余裕はまったくなく、iBooksストアもまだ日本にはなかったので、あまりきちんと調べていませんでした。制作者に電話をするとこういわれました。

「これは電子書籍です。このコラムの読者はiPadを持っている人も、興味のある人も多いと思います。これをダウンロードで提供したらどうでしょうか?iPadで読めるきちんとしたコンテンツが手に入るなら購読しようと考える読者もいるかもしれません。なるべく早く公開して、利用してもらった方がよいと思います」。

言葉もありませんでした。私には思いつくことも、実現することもできないことでした。

しかし、肝心の私がiPadの実機を持っていませんでした。n

問合せ先:新・混沌の館にて」サイト( http://www.sciencereadings.com/

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